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エレクトラ―中上健次の生涯の商品レビュー “中上健次に迫る道標”といってもよい
私自身の中上健次との出会いは「地の果て 至上の時」。 中上健次を評価するとすれば、純粋にアウトプットで評価せよ!
読み応えのある評伝だった。読み物として面白かった。 文学って、苦行なの?
今や伝説となった中上健二の評伝です。著者によれば、 説得力あり
作家中上健次の、生い立ちから作家として世に出るまでを、二人の編集者との交流・対峙を軸に描いた評伝。根は大人しい性格ながら、複雑な出生と家庭環境、兄の自殺、少年期のいじめ、親族間の殺人事件などの事実を自身の中に溜め込んでいくにつれ、抜き差しならない思いを腹の中に抱え込むようになった作家の人生が説得力をもって語られます。中上健次がなぜあれほど濃密でずしっしりと重い作品を描き得たのか、斬新としかいいようのない表現力をどうやって獲得したのか、本書を読めばあらまし理解できます。 決して語られることのない日本の陰画
僕は健次の作品は、「紀州、木の国・根の国物語」しか読んだことがありません。そしてそこから先に足を伸ばすことはこれまではありませんでした。どういうわけかこの「エレクトラ」というタイトルに魅かれて読むことになってしまいました。そんな無知な読者に突きつけられたのは、驚くべき必然性としての作家の一生です。健次の生涯の歴史的な描写ははあくまでも芥川賞の受賞のところで終わってますが、作者により、ここまでで、この作家の核がすべて明らかにされてしまいます。ここで明らかにされたのは、私たちが教科書で習うことは決してない日本の陰画への接近です。それは「路地」という言葉で語られています。文字と語り言葉、天皇と民、偽史と正史などの対立項の中で、彼の生涯の軌跡が明らかにされていきますが、最終的な著者の解釈は、母系からの父系への脱却による悪の存在の倒置(345ページ)に集約されます。そして単純なこの結語の持つさまざまなインプリケーションは全編を通じて語られることになります。そしてこのインプリケーションの重みは、全編つまり健次の生涯を知らずには理解が不能というわけです。そして健次が最後にたどり着いたのは,「無私無償の言の葉の量による圧倒」という境地だったという驚くべき結論になります。しかし、この作品の結語は、現実での父系の滅亡を散文的に読者に示すことによって終了しています。したがってエレクトラ自体の解明と描写も、未完のままなのです。 本の最新売り上げランキング - トップ10
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