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日本のインテリジェンス機関 (文春新書)

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日本のインテリジェンス機関 (文春新書)の商品レビュー

4.0 元内調室長による「研究ノート」
 元内調室長である筆者による一連の著作は、昨今のインテリジェンス・ブームに大きく寄与していると思われる。内調は秘密のベールに包まれているが、本書は内調の仕事の一端を明らかにしており、大変興味深い(ただし、本書で明らかにされているのは内調の仕事の一端に過ぎないことはよく理解されるべきであろう)。

 本書の魅力は何と言っても、内調室長時代の経験談が筆者独特の洒脱な語り口によってかなり奔放に語られている点である。特に、歴代の総理とのエピソードはどれも必読。本書の難点は、体系性が無く、エピソードをつなぎ合わせて一つの本にしたようなところがある点だが、このおかげで本書はとっつきやすい読み物となっている。
5.0 「優秀な秘書課」であった内閣情報調査室
「内閣調査室」という言葉を初めて知ったのは、確か平井和正の「ウルフガイ」シリーズでした。「内調室長の矢島」という凄い美貌の野心家が、狼男の不死の秘密をめぐってCIAを手玉に取ろうとする話で、非常に印象的でした。(読んだのは30年前なのに、今も「矢島」という固有名詞を覚えているくらいです。)「内調」は、おどろおどろしい「日本の権力の暗部」を象徴する記号でした。

年を喰ってくるに従って「内調」というのはどうもそういう組織ではなさそうだなぁという感じがしていたのですが、本書を読んで非常にスッキリ理解できました。安全で退屈な「お役所」、それが「日本のCIA」と悪名が鳴り響いていた「内調」の実像だったのです。

もちろん、内調だって無能ではありません。本書にも「韓国要人の実母が日本で非公式に入院しているのをキャッチ、官邸首脳の名前で見舞いの花を贈ったところ感激された」という「成果」が紹介してあります。実に心憎い気配りであり、内調は良い仕事をしています。ただし、その優秀さは情報機関としてのそれではなく、「秘書」としてのものだと思われます。優秀で誠実な「総理の秘書室」というのが、いちばん実態に近いのではないでしょうか。

内調が情報機関でなかったとすれば、我が国は本格的な情報機関を持つことなく60有余年を過ごし、しかもその間に世界第二位の経済大国になりおおせたということになります。それは、おそらく世界史上稀に見る幸運であったと思われます。しかし、幸運がいつまでも続くことを期待することはできません。少なくとも国家に対して責任ある立場の人間が、幸運を前提にものを考えるようでは困ります。今日の日本は、自前のインテリジェンスを持つべき段階に達しており、大森氏のような専門家の意見は虚心に傾聴されるべきであると考えます。
5.0 著者の情熱がクールに語られている
情報マンに求められる資質とは、インテリジェントな生き方とは、などなど現代社会を生きるビジネスパーソンにとって非常に有益なアドバイスが散見される。インフォメーションとインテリジェンスの違いを本当の意味で理解させていただいて感謝している。グローバルセキュリティをここまで真剣に考えている人っているんだ。インテリジェンス志望の学生への手紙が熱い。
5.0 愕然とする1冊
内閣調査室と言えば、日本のインテリジェンス(諜報機関)として数々の小説やマンガで活躍が描かれていますが、それらがまったくのフィクションだと認識できます。しかもデスクワークだけなんて…。インテリジェンスに対する日本の無力に、寒いものを感じますね。
筆者の”対外情報庁”構想は非常に納得です。
外国企業の競争力の源泉のひとつには、冷戦が終結したことによる平和の配当(インテリジェンスの民間活用)があったわけですし。
非常に興味深く読ませていただきました。
4.0 情報をどう扱うか
内調室長であった著者が日本の情報収集・分析の現状を指摘している。情報組織には何が必要なのか、何をすればよいのか、という根本の部分も興味深い。日本の場合は組織自体が小さいので情報分析の入門という意味でも活用できるだろう。
この程度の能力と価値観しか持っていない政府が我々の政府というのが恐ろしいが、この問題は政治の指導力発揮が期待される性質のものだろう。

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