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日本のインテリジェンス機関 (文春新書)

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日本のインテリジェンス機関 (文春新書)の商品レビュー

4.0 インテリジェンスとは?という方に
内閣情報調査室室長を務めた著者による、回顧録めいた現在の日本のインテリジェンスに関する提言、と申しましょうか。
自分の任期中に関わった各総理大臣との思い出話は読んでいて面白かったが、同時に一人の官僚が一つのポストを勤め上げる間に、これだけ国のトップが入れ替わりたちかわりしているという現状に愕然としたのも事実である。
情報をどうしても軽視しがちな傾向のある日本社会、日本人の変わらない理由を求め、しかしながら一時期ではあっても日本が諜報活動を行い、それに成功し適切に情報が使えた故に、英国など大国と渡り合えた事実も提示し、日本では無理という論調を打破しようとしているところに、切実な願いを感じ取った。

英国型、米国型などさまざまなインテリジェンス機関を引き合いに出し、日本に適している型を提示しているのだが、あまり日本国内でメジャーではないオーストラリア型などに関してはもう少し解説がほしかった。


しかし回顧録めいて、やさしい文体で書かれているので、インテリジェンスとは何ぞやといった読者にはうってつけの入門書であり、非常に読みやすいと思う。

4.0 元内調室長による「研究ノート」
 元内調室長である筆者による一連の著作は、昨今のインテリジェンス・ブームに大きく寄与していると思われる。内調は秘密のベールに包まれているが、本書は内調の仕事の一端を明らかにしており、大変興味深い(ただし、本書で明らかにされているのは内調の仕事の一端に過ぎないことはよく理解されるべきであろう)。

 本書の魅力は何と言っても、内調室長時代の経験談が筆者独特の洒脱な語り口によってかなり奔放に語られている点である。特に、歴代の総理とのエピソードはどれも必読。本書の難点は、体系性が無く、エピソードをつなぎ合わせて一つの本にしたようなところがある点だが、このおかげで本書はとっつきやすい読み物となっている。
5.0 「優秀な秘書課」であった内閣情報調査室
「内閣調査室」という言葉を初めて知ったのは、確か平井和正の「ウルフガイ」シリーズでした。「内調室長の矢島」という凄い美貌の野心家が、狼男の不死の秘密をめぐってCIAを手玉に取ろうとする話で、非常に印象的でした。(読んだのは30年前なのに、今も「矢島」という固有名詞を覚えているくらいです。)「内調」は、おどろおどろしい「日本の権力の暗部」を象徴する記号でした。

年を喰ってくるに従って「内調」というのはどうもそういう組織ではなさそうだなぁという感じがしていたのですが、本書を読んで非常にスッキリ理解できました。安全で退屈な「お役所」、それが「日本のCIA」と悪名が鳴り響いていた「内調」の実像だったのです。

もちろん、内調だって無能ではありません。本書にも「韓国要人の実母が日本で非公式に入院しているのをキャッチ、官邸首脳の名前で見舞いの花を贈ったところ感激された」という「成果」が紹介してあります。実に心憎い気配りであり、内調は良い仕事をしています。ただし、その優秀さは情報機関としてのそれではなく、「秘書」としてのものだと思われます。優秀で誠実な「総理の秘書室」というのが、いちばん実態に近いのではないでしょうか。

内調が情報機関でなかったとすれば、我が国は本格的な情報機関を持つことなく60有余年を過ごし、しかもその間に世界第二位の経済大国になりおおせたということになります。それは、おそらく世界史上稀に見る幸運であったと思われます。しかし、幸運がいつまでも続くことを期待することはできません。少なくとも国家に対して責任ある立場の人間が、幸運を前提にものを考えるようでは困ります。今日の日本は、自前のインテリジェンスを持つべき段階に達しており、大森氏のような専門家の意見は虚心に傾聴されるべきであると考えます。
5.0 著者の情熱がクールに語られている
情報マンに求められる資質とは、インテリジェントな生き方とは、などなど現代社会を生きるビジネスパーソンにとって非常に有益なアドバイスが散見される。インフォメーションとインテリジェンスの違いを本当の意味で理解させていただいて感謝している。グローバルセキュリティをここまで真剣に考えている人っているんだ。インテリジェンス志望の学生への手紙が熱い。
5.0 愕然とする1冊
内閣調査室と言えば、日本のインテリジェンス(諜報機関)として数々の小説やマンガで活躍が描かれていますが、それらがまったくのフィクションだと認識できます。しかもデスクワークだけなんて…。インテリジェンスに対する日本の無力に、寒いものを感じますね。
筆者の”対外情報庁”構想は非常に納得です。
外国企業の競争力の源泉のひとつには、冷戦が終結したことによる平和の配当(インテリジェンスの民間活用)があったわけですし。
非常に興味深く読ませていただきました。

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