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十七歳の硫黄島 (文春新書)

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十七歳の硫黄島 (文春新書)の商品レビュー

5.0 真実の語る力
この方のことは、少し前に報道されたNHK特集で始めて知りました。
本の中でも書かれていますが、御自身で体験されたことを書き溜めていた著者は、「親が悲しむから、、、」とその記録を最近まで封印されていたそうです。

様々な文学や映画などで戦争体験がつづられていますが、そういった戦争体験モノとの決定的な差があるように感じました。
ありがちな、社会や体制もしくはその当時の個人に対する恨み、つらみ、怒りといった感情はほとんど、あっても極々控えめにしか描かれていなのです。

あるのは何が何でも生き延びるのだという強い意志だけです。
記された世界は想像を絶する世界ですが、著者が伝えようとしている戦場の真実の姿を、硫黄島で無くなった我々の祖先達のためにも我々は知らねばならないと思います。
4.0 筆者の肉声に心打たれる
秋草さんはNHK特集「硫黄島玉砕戦」で生還者4人の1人として出演し証言された方です。リアルタイムで放送見て「もっとこの方の話が聞きたい」と感じてた矢先に待望の一冊が出た。

硫黄島での生還者陸海軍合わせて約900人、これまでも手記は出版されてますが、現在まとまって読めるものが少ないのでこれは体験貴重と言えます。秋草さん自身、戦後50年以上、どうしてもあの体験を残しておかなくては、それが仲間達の供養になると考え、ずっと推敲を重ねて、初めて戦後60年以上たって世に出ることになった貴重な手記です。


読んでみると海軍を志した17歳の秋草少年の戦場での思いがストレートに伝わってきて、かえって素人臭いその文体がリアリティを醸し出してます。どういう想いで少年達が戦場に向かっていったのか。

参謀や高級将校の書いた手記の場合ややもすると自己弁護がみられたり、時間が経って美化される話も多いですが、海軍の兵だった方の手記であるが故に非常にストレートで兵士達の目線で戦場の様子がすごく伝わってくる希にみる好著なのではないだろうか。

こういう本を当時の秋草少年と同じ位の現代の高校生に読んでもらえらたらと思いますね。
5.0 最前線で戦争の苦しみを生き延びた人の使命
 映画「硫黄島からの手紙」公開に前後して、硫黄島での戦闘を指揮した栗林中将に関連する本が数多く出版されました。その一冊「散るぞ悲しき」を読んで、勝利でなく、ただ出来る限りの持久戦を戦って米軍をこの島に引き止めておこうとした指揮官の苦悩と戦いを私は知りました。そしてもう一冊が、この本。同じ場所、同じ戦いを、当時17歳の少年兵だった秋草鶴次氏がつづったものです。秋草氏は通信兵として硫黄島に配属され、想像を絶する戦いを奇跡的に生き延びて、捕虜として米軍に収容されました。戦後、日本に戻ってきてから、その体験を書き留めたメモをもとに書き記されたのが、本書です。全軍を指揮した立場の人とはまったく違った、一兵卒が体験した硫黄島の戦いが、淡々と、だが克明に記録されています。

「神は男と女を、紙の姿に似せて造られた」と旧約聖書の創世記1;27節に記されています。このところで使われる「男」の言葉のヘブル語には「追憶する人」という意味がある、とラリー・クラブ著『アダムの沈黙』に書かれています。男とは自分自身の、そして家族の、社会、国家の歴史を「記憶し」「物語る」べき役割を持っているというのです。
戦争体験とは、それを体験した者にとって、忌まわしい、思い出したくない、辛く悲しい記憶でしょう。多くの友の最期を見届けながら生き延びてしまった人にとってはなおさらです。しかし、生き延びた人には、残れた使命があるのです。著者は、本書でその使命を全うしたのです。そのことに敬意を表したいと思います。
この悲惨な戦場を、秋草氏は3ヶ月にわたってつぶさに目撃しただけでなく自らも戦い傷を負いました。飢えと渇きに苦しみながら、死屍累々たる戦場をさまよいました。この追憶は、単に個人的なものではなく、民族の記憶、民族の歴史ででもあります。それに耳を傾け受け止めることは、この犠牲によって今の平和を享受している私たちの恵みであり、使命であるといえるでしょう。
4.0 日本の戦争
壮絶、オレと同じ年の人たちが、この劣悪な環境で家族を思い死んでいったのか。すこしでも粘る事が、本土を攻撃される時期を遅らせると思てたんだよな。96%は死んだってやばすぎ。戦争で犠牲になるのはまっすぐで何も知らない純粋な若者達。子供の秘密基地のように、何もない島なのに、いろいろ内地を連想させる名前をつけてるのに、なんともいえない思いがした。地名など文章がリアルすぎて、想像し辛い部分も多々あった。冥福を祈るばかり。
5.0 義務教育で副読本にすべきだ
あの戦争での硫黄島攻防戦について、
「日本軍は玉砕した」の一言で片付けてはいけないと思った。

どのような経過を辿って玉砕したのか、あるいは生き延びたのか。
まさにその場にいた者ならではの緊迫した手記で、非常に臨場感がある。
文字通り筆舌に尽くし難い阿鼻叫喚の地獄のような状況。
いや、それ以上に凄惨で過酷な状態に置かれた人々への悲しみを禁じえない。


軍隊を持つべきだとか持たざるべきだとか、
あの戦争は良かったとか悪かったとか、
そういった観念論・イデオロギー論はさておき、
まずこの本を読んで、抗い難い厳しい現実を身に沁みて知っておきたい。


このような殺し合いは「愚か」であるとしか私には思えない。
戦争は本当にくだらない、絶対悪だ。
しかし愚かであるからと言って、先の大戦で日本のために散っていった
英霊たちの死が無駄だったとは思わない。無意味だったとも思わない。

そのことについては本書の「おわりに」の最後にも、
著者の言葉として書かれているので、興味のある方は読まれたし。
(ちなみにその言はNHKで放送された特番ではオンエアされなかったとのことなので、本書にて読むしかない)

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