英語学習の道しるぺになってくれた本
この本を読んだのは、まだアメリカ留学目指して働いているときでした。
英語を目指す目的といえば、ぺらぺらになるといった表面的なことしか頭になかったときなので、英語に対する考え方を変えてくれた本になりました。当時は現在ほどの英語ブームではなかったので、特に興味がある人以外には知られていなかったような気がします。とにかく、DVDはおろかビデオさえまだあまり出回っていない時代だったので、著者の発音指導がどういうものだったのか、実際に目にすることができずとてももどかし思いをしながら読みました。でも、冒頭の高校生のスピーチが一言も理解できなかったというエピソードは思い当たるだけにショッキングで、日本人は息が弱いことや、舌に力を入れることに慣れていないということを初めて教えてもらいました。いま話題の「UDA式30でマスターする英会話」方式のような訓練に30年近く前に言及した本です。
発音だけでなく、この本のすごいところは、英語を話すということや子供の問題などにまで深い考察がされている点です。当時も今もすべてを理解しているか、不安なところもありますが、いまでも時折読み返して読む本です。
言葉とはかくも徒然
優れたノンフィクションは、読者に未知の体験を味あわせてくれます。英語という、誰でもが少なからず関わった事のある対象が、こんなにも奥が深かったとは(文中の「ゼアラア」とは自分のことであると、一人で納得していました) 筆者が非常に聡明知的な女性で、かつ達意の文章を書かれることは読み始め、すぐにわかります。ただ、こなれた文章のはずなのに、サクサクとは頁がはかどりませんでした。ひょっとして、作者は英語で論旨をまとめ、それを日本人が書くであろう日本語に置き換えられたのではないでしょうか。
こんなことを思うのも、作者に、言語による思考方法の違いを啓蒙していただいたお蔭です。