「改革」を成し遂げるための政治家と官僚の条件とは?
小泉内閣がいまだに具現化できずにいる政治と経済の「改革」。やはり、現在の日本においては政治家主導による改革は不可能なのか?
しかし、かつての自由民主党には改革を断行した政治家たちがいた。その中軸となったのが後藤田 正晴氏である。後藤田氏は内務省出身のキャリアとして、太平洋戦争中にはすでに台湾総督府の重要ポストにあり、戦後は、自衛隊の前身である警察予備隊を組織し、また、わが国の警察機構を刷新し、連合赤軍による「浅間山荘事件」では陣頭指揮をとって緻密な作戦により人質救出に成功した。
キャリア官僚のトップから政治家に転じてからも、故田中 角栄氏が率いた田中派の参謀役として活躍し、中曽根内閣の官房長官時代には、政党政治家と霞ヶ関の官僚たちをとりまとめ、当時不可能とされた国鉄や電電公社の民営化等に代表される「行財政改革」を断行し、自民・非自民双方から敬意を一身に集めた。 本書では、後藤田氏の図抜けた判断力や実行力の裏には常に緻密な情報収集と冷徹なまでの分析があり、弛まぬ努力と氏の負けず嫌いの性格と粘りが勝負どころでは結果を出すことにつながった経緯をひも解く一方で、氏の人柄や魅力の源泉となっている明快な人生観や基本的な考え方も紹介されている。現代の改革に求められる人材や考え方のヒントまでも連想される書である。