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告白 (文春文庫)

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告白 (文春文庫)の商品レビュー

4.0 コンプライアンスに厳格な今だからこそ
 日本のバブル景気崩壊後の1995年、大和銀行NY支店で米国債取引損失の飛ばしが明るみに出た。原因は嘱託行員、井口俊英による権限外取引の損失が積み重なったためである。

 その損失を如何に積み重ね、内部監査が全く機能せず、何年間も放置されてきたかを本書では、犯人自らが記述している。

 現在、企業コンプライアンスの重要性が説かれているが、コンプライアンス即ち監査自体は昔から存在してきた。しかし何故そのコンプライアンスが機能しないか、出来ないか、という事を本書は教えてくれる。事件から10年以上経過しているが、現在でこそ読む価値がある。

 犯人による記述なので、自己弁護っぽい記述が多いのは割り引いて読む必要があるだろう。
5.0 告白
これは、本当に面白い本です。大和銀行ニューヨーク支店で起きた10億ドル損失事件。トレーダー一人で、10億ドルの損失。そして、12年間も隠ぺい。地獄のようなおびえる日々。そして、告白。その後の組織の対応。日米文化の違い。金融業界の体質等、様々なテーマが織り込まれています。当事者の告白であり、重みのある一大記録です。この史上稀なる記録から、私たちは学ばなければいけないと思います。是非一度読むことをお勧めします。とても面白い本です。他人の経験を追体験する意味では、貴重な一冊です。よく、記録を残してくれたと思います。当事者でないとわからない心理状況がこくめいに記されています。
3.0 嗚呼、監査法人
 1995年9月に発覚した大和銀行ニューヨーク支店巨額損失事件。大和銀行はアメリカから追放され、事件に対する日米当局の対応の違いは、日米問題にまで発展した、と腰巻にはある。あらためて読み替えしてみると、この事件の教訓がその後何も生かされていなかったことがよくわかる。米国では、エンロン、ワールド・コム等が、日本では西武、三越等の大型粉飾事件が起こりいずれもレベルの低い監査法人が槍玉に挙がった。日本では、中央青山監査法人が潰れてしまった。
 大和事件については新日本監査法人の理事長が国会に呼ばれたりしたが、この理事長については私も良く知っているだけに、情けない!の一言では済まされない。大和銀行はその後りそな銀行に改組され、監査法人も新日本監査法人よりは「ましな」トーマツに変わった。しかし、そのトーマツもたいしたとがないことがわかってきた。大和の後遺症も続き、りそなの会計士も「自殺」してしまった、話はまだまだ続くのだ。
4.0 反面教師として役に立つ
著者がどのような取引を行って巨額損失を出すに至ったかを知りたくて読みました。
取引の内容が比較的詳しく語られており、参考になりました。
事件の発覚から結審にいたるまでの人間模様もリアルに描かれており、興味深く読めます。
他のレビューでも指摘されているように、著者は加害者意識が希薄であり、(というよりむしろ被害者意識すらもっており、)
単に自分の損失を隠すために無断取引を重ねたにもかかわらず、「会社のためにやったのになんで訴えられるのか」と
会社に復讐心を燃やしています。
こうして自己を正当化してしまう心理・考え方も反面教師として役立ちそうです。
文章は読みやすく、さらっと読める本だと思います。
5.0 何が正気で何が狂気か
今までの実績からすれば取るに足りない数千ドルの損失、しかしその月の達成数字は報告済みでありそれをいまさら減額修正して報告することは出来ない・・・そして彼はポイントゲッターでありながら管理者でもあった・・・全てはここから始まるのですが、(利益獲得部隊と監督権限が兼務されてることを除けば)極めて有りがちなシチュエーション。スケールの違いは歴然ですが要求数字と報告数字と着地数字の帳尻を合わすことを生業にする営業職サラリーマンとしては、、、、、、、身につまされ過ぎる、、、、。そう思わざるを得ない様に構成メンバーを仕向けてる企業組織が異常、というのは簡単ですが状態化してれば当人に取ってはそれは「日常」。シビアな競争にさらされ、企業としてそのような緊張を強いた方が(幸運にもこんな事態が発生しなければ)より生産効率が上げられると考え、殆どの組織が似たような状況を程度の差こそあれ内包してるならば、そんな会社は(新聞沙汰にならない限り)「通常」。この本に描かれてる恐怖はあなたの、わたしの日常業務は果たして端から見たとき通常と言えるのか?という疑問を投げかけます。そして私は思います、「異常」としらふで思っていても酔っぱらったフリして踊っている、または踊らざるを得ないという人は結構いると。そんな人にご推薦します。

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