興味に引き摺られ読み進んだけれど…
乃南アサさんの作品は大好きです。
この作品も「え、何? どうして?」と気になりつつ、一気に読みました。
いつもの如く心理描写が細かくて物語にのめり込んでいきます。しかし残念なのは、ラストにちょっと物足りなさを感じました。
ストーリーの途中で既に期待が大きくなりすぎた分、最後でカクンッと拍子抜けしたというか…。
一読者の我侭として、「もっと違ったラストだったらいいのになあ」というところです。
気味の悪い家族
★お見合いで結婚した主人公が嫁いだ先は大家族。
夫の家族たちは違和感を抱くほど親切で純粋な、善良な家族であった。
しかし一見幸せな日常で、一枚づつ薄皮を剥いでいくようにあらわに
なっていく秘密の影・・・この善良な家族がおかしいのかそれとも
自分が狂っているのか―疑心暗鬼に取り付かれた主人公が見た家族の
真実の姿とは。・・・というのが大体の筋ですが、特筆すべきは全体を覆う「薄気味悪さ」
でしょう。ほんと気持ち悪いです。主人公の疑いと思考の乱れが
整頓されることなくそのまま文章になっているので、何かに酔ったような
感じというか・・。気味悪さを味わいたい方にはお薦めです。
そしてラストが・・・なんとも言えない余韻です。