Open and Shut
面白い.ニュージャージーの弁護士の法廷物.かつて地方検事だった父に ある事件の再弁護を要請される.被告は28才の黒人,7年前泥酔下で白人女性を殺害した角で死刑判決を受け,その執行が目前に迫っている.父が検事として被告を有罪に追い込んだったのだ.事件そのものはOPEN AND SHUT,数々の動かしがたい証拠から被告の犯行は明らかであった。裁判開始とともに,即判決,という簡単な事件であり,これを覆すのは不可能に思われた.しかし父は事件の裏に何かひっかかるものを感じ,死刑執行が迫った今,息子アンデイに再弁護を要請したのである.事件のあらましを知るアンデイは,この無理な注文に一度は「ノー」と言うが,父の暗黙の気持ちを推し量り,引き受けてしまう.
裁判長は渋々裁判の再開を認めるも,準備期間を4週間に限定する.あまりの短い準備期間に,無理と思いつつも,助手というか,相棒というか,恋人というか,優れた捜査のエキスパートで元警官,しかも相当な美人(らしい.というのも誰もが彼女に見とれてしまうし,親切にしてくれるので,らしい.)のロウリー,彼女が見つけてきたハーバード出のコインランドリー弁護士のケビンの3人で調査を開始する.ここから物語にどんどんと引き込まれていく.次々と発覚する新たな事実に,こちらも「どうしても早く先を読みたい!」状態になってしまう.
前の裁判で明らかになった,明々白々の動かぬ証拠の不審点は多く見つかるも,被告の犯行を覆す決定的な証拠が見つからないまま,裁判に突入してしまう.しかしここからがこの作者というか,主人公弁護士アンデイカーペンターの凄いところ.被告に不利な証人や証拠を,陪審員をしてあらゆる視点から考えさせ,「裏に何か陰謀が蠢いているのでは?」と思わせる方向に裁判の流れを持って行く.
父の屋根裏で見つけた35年前の父と,今や州の大物になったその友人達の写った古い写真から,色々な過去が浮かび上がってくる.
まあ後は読んでのお楽しみ.星4.5