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もののたはむれ (文春文庫)の商品レビュー 私小説
私小説と幻想小説の両義性をはらみながら、どちらともいいえない、きわどい淵をあるいていく。日常なのか、非日常なのか、きようかいの淵をさまようように、歩いていく。 田中宏和 “無関係”の関係の居心地のよさ、仮の時間を過ごす快楽
ふと立ち寄った妙な喫茶店「並木」。どう見ても普通の民家であり、主人公の男は二階の六畳間に案内される。最初にコーヒーと砂糖壺が運ばれて来たきり後はおかまいなしで、何をするでもなく煙草を吸ってひとり小一時間を潰す。男はそれから10年、気が向くと「並木」に足を運ぶようになる。男にとって「並木」は“ゆるやかな記憶の甦りに身を委ねる場所”だった...... ある一瞬を空間化する試み
松浦寿輝の処女小説。評論『エッフェル塔試論』を除くと、小説では初の文庫化。松浦氏の文体はある種のトランス状態をもたらすが、本書では、近作にみられるようなねっとりとまとわりついてくるような文体はまだ新芽の段階にあり、短編集であることも読みやすさを助長している。それでいて、氏のその後の方向性を伺わせるには十分であり、松浦小説の入門書として最適といえる。 本の最新売り上げランキング - トップ10
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