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半島 (文春文庫 ま 19-2)の商品レビュー 半島に入りたい!
小説にしか描き得ない、言葉にしか表現できない世界を実現している点で、大いに評価すべき作品ではある。本書を読んでモデルとなった舞台を訪ねるというのも、『ダヴィンチ・コード』かよといいたくなるが、そんなことは要らぬお節介だろう。勝手に訪ねなさい。 路地を三歩進んで二歩下がる
話は三歩進んで二歩下がる。大学の教授とあったので説教くさいのかな、などと全く期待していなかったのだが、本の表紙の美しさにつられ、ついつい購入してしまった。ページを何枚めくっても何も決まらず、大きな展開もない。「何もない」の反対は「何かがある」。でも本当に「何もない」。では、面白くないのか?いや、非常に面白かった。私はこの本を読んでから、小説の舞台を探すために短い夏休みを利用して瀬戸内海へ向かった。毎日のように船で島へ渡り、寂れた路地を探索した。この路地の先には...などと考えると、すでにアスファルトの都会に慣れきってしまった自分にも自然を感じる力が残っていたのかと、ぬるい風が身体をすっと通り過ぎ、しつこい汚れを削ぎ落としてくれた。東京に帰っても、入り組んだデパートの売り場で、開発からとり残された渋谷の路地で、ちょっとしたとまどい、漂流している感じは忘れたくない。会社の昼食の時間、今日は少し先の路地の店まで定食を食べに行こう、そんな些細なことでもいい。自分の日常の中に自分にとってのささやかな「半島」を見つけて過ごしたい。遠足の前日「バナナはお菓子にふくまれるんですか〜?」などと先生にふざけた質問をする小学生のささやかな抵抗のようだけれども...。何年か過ぎ、この本をめくったとき、そこにはきっと老けた姿の自分がいるはずだ。もう一度、あの暑い夏の記憶を取り戻してほしい。少し違うかもしれないが、大人版、村上春樹の「風の歌を聴け」ではなかろうか。今年の夏、何もなかった人は是非...。 現実とは仮初であり自分自身が作り出すものである、ということの希望
半島の先端に橋ひとつで繋がっている小さな島。この島で“クライアント”とも“ゲスト”ともつかない存在として、“休暇”とも“余生”ともつかない日々を送ることとなった四十過ぎの男の話。 本の最新売り上げランキング - トップ10
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