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空中ブランコ (文春文庫 お 38-2)

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空中ブランコ (文春文庫 お 38-2)の商品レビュー

4.0 思わず笑い声をあげてしまいました
私の場合、本を読んで声を出して笑うことはありませんが、この本では笑ってしまいました。

主人公は、空気を変えるタイプの人間で自分がやりたいことをやっています。
その代償も大きいでしょうが、やりたいからいいんだそれが当たり前、なにか?
的な生き方をしています。
そんな主人公と患者とのかけあいが面白いのです。
わざとらしさや作りこみといった不自然さがないので、思わず笑ってしまうのだと思います。

それと、結構元気もでる一冊です。
5.0 すごい!
面白い作品ですねー。インザプールも読みましたが、伊良部先生のキャラクター設定が絶妙でした。
4.0 インザプールの続編。でも、こっちの方がイイ。
 特別な悪人も出て来なければ過激な性描写、バイオレンスシーンも無い。中学生くらいから安心して読める作品です。
 ヤクザもお医者さんもプロ野球選手も、みんなそれぞれ弱い所を持つ愛すべき人達。この本は、自分に対して、自信をなくしかけている人たちへの応援歌。
 真ん中の「義父のヅラ」で大笑いして、最後の「女流作家」で不意にポロポロッと涙がこぼれる。2004年上半期の直木賞受賞作です。
5.0 「伊良部シリーズ」第二弾
第一弾『イン・ザ・プール』同様、患者それぞれの話が短編として5つ収められていますが、こちらのほうが患者達が例えば「サーカスの団員」「やくざ」「作家」などと、特殊な世界にいる人達ばかりです。
しかしこの伊良部先生、患者達と向きあう時にその患者と同じものを見聞きし味わおうとする傾向があるのですが、そんな特殊な世界にも足を踏み込むのですね。
その大胆不敵、奇想天外な振る舞いは、『イン・ザ・プール』で真夜中のプールに忍び込もうとしたことが、まだ「抑え目な行動だった」と思えてしまうほどです。
そのパワーに圧倒されるとともに、患者達にもこの先生に向き合うだけのパワーが必要だろうなとも思えてきます。
でも最終的に患者達の症状がどうなるかは別として、患者達やその周囲の人々がこの「伊良部先生」に悪い印象を持たなくなっているんですね。
ただし意図的に「患者達の治療の一環」としてやっているとは到底思えず、単に先生自身が好奇心の赴くまま、あれをやりこれをやったことが、結果として患者達の気持ちを軽くすることに結びついているように思います。
まさにこれが「天性」というものなのでしょう。
こちらは直木賞受賞作ですが、患者達がそれぞれの症例と向き合う際に、それまでの生き方(例えば「女流作家」では、「売れるものを書くのか、それとも売れないけど書きたいものを書くのか」というジレンマなど)を省みる様子がより深く描かれているように思いました。
5.0 医学博士の伊良部一郎はもしかしたら「人間博士」かもしれない!?
 伊良部総合病院の神経科医である伊良部一郎を主人公とする人気シリーズ第2弾。神経科医を軸に組み立てた作風はとても斬新で、表題作の「空中ブランコ」を含む計5本の作品はいずれも面白く(個人的には、特に「ハリネズミ」と「義父のヅラ」が実に印象的であった)、思い切り笑わせてくれるものもあれば、思わずホッとするものなど、味わいに富んだ作品ばかりである。本当に一気に読ませる内容・文体であり、文句なしの「星5つ」の著書である。

 神経科医を主役とした作風それ自体に最初は違和感を抱く読者もいるかもしれないが、軽快な話の展開構成に自然と本書の魅力に惹きこまれるのではないか(「趣向」が合わないと感じる読者もいるから、本書の評価は割れるだろう)。誰もが神経的・精神的な「病」を抱えているといっても過言ではないこの現代社会において、本書に登場する奇抜な思考・言動を惜しみなく披露する伊良部医師は、一服の「清涼剤」的な存在感を十二分に醸し出している。あまりの荒唐無稽さに、患者のほうが「自分こそ医者ではないか」と思わせるくらいだ。こんな医者がいるとは思えないが、どこかにいてほしい類いの医者だ。治療していないようで実際のところは治療している。とにかくこの医師は「ただもの」ではない。白衣の名刺に付けられた「医学博士・伊良部一郎」の「医学博士」の隣に、「人間博士」と付け足したい気分である。

 本書のメッセージは、やはり「(とくに)心の病を治すのは自分である」ということになろうか。伊良部はそれを大胆な言動を通じて遠回しに患者に気付かせているのだ。なお「人間の宝物は言葉」であり、「その言葉を扱う仕事に就いたことを、自分は誇りに思おう」(281頁)という最後の作品「女流作家」における女性作家の言葉は、まさに作者自身のそれであろう。伊良部病院の神経科が「地下1階」にある理由も私には理解できた。伊良部医師の今後の活躍が楽しみだ。

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