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幸せを奪われた「働き蟻国家」日本―JAPANシステムの偽装と崩壊

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幸せを奪われた「働き蟻国家」日本―JAPANシステムの偽装と崩壊の商品レビュー

4.0 外国人だからこそわかる、日本社会という幻想
対談形式で、日本の社会システムの問題点を中心に取り上げています。
政官財の癒着構造など大きなものから、郵政民営化を骨抜きにする条項の存在など細かいものまで、合計300以上の話題についてそれぞれ数ページを使って議論しています。
あくまでも二人の著者による問題定義であって、具体的な証拠や解決策を論じたものではありませんが、
一般のマスコミが取り上げない日本社会の裏側、外国人から見た「日本の幻想」をばっさりと切っていると感じられます。
例えば274p「多くの日本人にとって、検察官は極めて神に近い存在だ。」
306p「リクルート事件が大きなスキャンダルになった理由は、リクルートが(それまでは日本になかった)労働市場の流行を作り出していたから。労働者をやりとりすることには経団連や日経連からの非常に強い反対があった。」
こういった指摘は、著者達ならではのものでしょう。
2006年出版の本であり当時から政治情勢も動いているために、今同様の話題を扱ったとしても二人の著者はこの時と異なった意見を持っているかもしれませんが、それらについては同著者達のより最近出版された本が参考になるでしょう。

1つ1つの指摘には納得できるものも多いのですが、話題がかなり発散しているために
「ではどうすればいいのか?」という読後感が残ってしまいます。
もう少し話題を絞って細かく論じたほうが面白く仕上がるかもしれないと感じました。
その点が星マイナス1で4つです。
5.0 外国に支点を置かないと見えてこない日本のおかしさ
フルフォード氏の本は読んだことがあり、ウォルフレン氏と有名な著書の名前だけは知っていた。どんなものかと思って読んでみたら、ウォルフレン氏のみに注目して読んでしまった。日本に生まれてそのまま住んでいると、そんなものかと思わされてしまっていることの中に本当はとてもおかしいことがあるのだ。一度日本を離れてみてやっと気づかされた。

彼が言っていることで思い当たることはたくさんある。一例をあげると、日本の薬はなぜ効かないのか!!ということ。私がある国で二年暮らした間に世話になった薬の中で聞かない薬はひとつもなかったのだ。風邪薬だってすぐに効果があった。これは日本ではとても珍しいというか、ありえないようなことなので驚いたが、買った薬がすぐによく効くことのありがたみは半端でなく大きかった。

それから考えると、どうも日本の製薬会社は効かない薬だけを売っているという疑いを持たざるをえない。薬が効いてしまうとそれ以上はもう買わないわけだから、もうけるのには効かない薬を売るのが一番で、そうなると厚生省と製薬会社がぐるになって日本国民を欺いていることになる。ウォルフレンは日本のシステムが国民よりも、産業を守ることを第一にしていることを繰り返し指摘している。そのとおりだと思う。

読んでも彼の言うことがどうもピンとこない、という人はたくさんいると思う。できあがったしまったシステムの中にいるとそうなってしまうのだと思う。日本国民って悲しい・・
3.0 昔の時事放談を思い出した
子供の頃、日曜の朝8時から時事放談というテレビ番組をやっていて、父が欠かさず見ていた記憶がある。この本を読んでいて、そのことを思い出した。時事放談という番組は、やや高齢の二人の論客が、「好き勝手に政治を中心とした、時事問題を言い合う」番組だったのだが、本書も正に二人が各々の意見を「放談」しているだけで、まるでまとまろうとしない。
おまけに、本の構成が不親切(しばしば、唐突な随筆部分があり、読書が分断されてしまう。)なのは、どうしたことか?

内容的には、「こういう見方、こういう情報もあるのか?」と新味のある部分もあるのだが。
2.0 言い古されたような文章の羅列
 本書は不思議な本で、二人の懸談形式を取ってはいるのだが、掛け合いになっておらず、めいめいが好き勝手な事を話しているのをあえて一くくりにしている印象を受けた。
 まとめれば「官僚に牛耳られ、それをチェックする政治に労働者は無関心で、会社にエネルギーを吸い取られている内に、リーダーのいない日本は没落していっている」となろうか。
 なんだかカビの生えたような内容で、社会システムを初めて学ぶ学生でないと、新鮮味はないだろう。
 「CIAの報告によれば、日本から北朝鮮に支援された米は1/8の値段で買えるタイ米で、浮いた膨大な裏金は、野中広務や加藤紘一などにばらまかれたとされている」「FBIの元日本代表が、ODAの2割から3割は自民党の政治家に還流していると私に教えてくれた」のような(そうかも知れんとは思うものの)具体的裏づけのない噂話がちりばめられている事によって、社会評論でなく、オカルトのようにイメージされてしまう。
5.0 官僚天国の指摘は正しいと思うが、検証可能な証拠を提示するべき
 内容は面白い。普段は頭の回らない「世の中の仕組み」と言うものに気づかせてくれる。さらに「アングロサクソン・ルールとは別の選択肢を提供できる日本であることに自信を持つべきです」というフルフォードの言葉には非常に勇気づけられる。ウォルフレンの作品としては「人間を幸福にしない日本というシステム」以来で、官僚に支配された国家という内容は真実だと思うし、暴走しがちなフルフォードに対して押さえた発言や、発言に真意を確認するやりとりにも信頼が置ける。しかし本書では発言の根拠が提示されない。それが問題だと思う。
 ふたりの対談風に話題が展開するので非常にフランクで読み易いが、逆にテレビの対談番組のように言葉として流れ去ってしまう。事実かどうかをその場で検証するデータがないのが残念でならない。これはテレビの対談であっても、重い事実を伝えたければ検証可能な根拠を要求されるはずである。
 本当は本書を読んで自分で調べたり考えることで自分の意識を変えていく必要があるのだろうが、少なくとも記載されていることを本当に訴えたいなら、反対意見に対して説得力も持たせるために、証拠を提示するべきだと思う。対談風でも構わないのだが、引用資料の出典や解説を設けるべきだった。

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