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顔 FACE (徳間文庫)

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顔 FACE (徳間文庫)の商品レビュー

3.0 男性が女性を主人公に書く難しさ。
星は超辛口で3つとした。
やはり、横山秀夫ならではの緊張感が希薄であるのがその理由。


本書は、男性が女性を書くという難しさがよく出ていると思う。
横山秀夫をもってしてもいかんともしがたかったのだろう。
女性モノは、乃南アサや桐野夏生に任せて、
男の小説を書いてもらいたい。
ヒリヒリするようなやつを。
4.0 男性社会の中での女
男女雇用均等法など幻想にすぎない。
今でも男社会は存在するし、女性を多く登用しているという会社の実情も、管理職の女性と事務職の女性の格差社会だ。
警察は優秀な女性を広告塔として持ち上げても重用することは殆どない、旧態依然とした男社会である。警察という危険に身をさらし、常に緊張がともなう職場では仕方ないかもしれない。この中ではヒロインのみならず、そういった社会で静かにもがく女性の群像が描かれる。
この短編集のヒロイン瑞穂は信念を曲げ、上からの命令に従った事で心に異常をきたし、閑職においやられた若き巡査である。
有能ではあるが正義感が強すぎて周りに妥協できない。しかし、誰よりも仕事に対する誇りを持っている。警察という組織社会の中では上手く立ち回っていけないタイプであろう。
この小説を見ながら、女性が男社会で生きていく困難さ、そして様々な障害を目の当たりにした。
一つ一つの作品がコンパクトにまとまり完成度も高い。
作者が得意とするもっと骨太の警察小説のファンには物足りないかもしれないが、このように男社会で懸命に生きているヒロインの姿に元気付けられた、そんな一冊であった。
3.0 まあまあ面白い
めちゃくちゃ面白いというわけではありませんでしたが、まぁまぁ面白かったです。
よくある小説のような伏線ががばっちり謎解きにはまっているというのではなく、伏線かなと思わせたものが実は関係ないことでただの失敗だったとか。人間は失敗して成長していくというようなことが書かれていたと思います。
5.0 横山秀夫が描き出す23歳の似顔絵巡査婦警・平野瑞穂の生き様!
 本書のタイトルはズバリ一文字で「顔」。タイトル一字の本というのはミステリー作品のなかでも意外と珍しいのではないか。横山作品では本書が初めてだろう(森村誠一の作品には、『駅』や『窓』といった一字タイトルの諸著作がある)。

 主人公は、『影の季節』に所収の「黒い線」で登場した23歳の平野瑞穂婦警。彼女はかつて鑑識班で犯人の「似顔絵」作成を主たる任務としていたので、これがタイトルの由来である。似顔絵作成は犯人の「心の闇」を描くことである本書の触れ込みは、見事なストーリー展開と文体によって、十分に堪能できる。絵画教室で絵の技法を学ぶにとどまらず、平野は「少し背伸びをして、絵の心のようなものを吸収したいと自分なりに心掛けていた」(146頁)。

 簡潔で、しかも温かな余韻を醸し出すプロローグとエピローグは、本書の「閉じ方」として申し分ない。プロローグにおける、小学校1年時の平野瑞穂の夢である「ふけいになること」はその後実現し、典型的な男性社会における幾多の壮絶な困難を果敢に乗り越えてゆく彼女のバイタリティ溢れるストーリーが展開されていく。「直接の被害者だけでなく、思いも寄らないところにまで不幸の波紋を広げ、多くの大切なものを踏みにじる」(212頁)犯罪を憎み続ける彼女の赤裸々な心情も本書全体を通じてリアルに表現されている。

 「心の銃口」という作品は思わず唸ってしまうほどの出来栄えだ。『臨場』では52歳の検視官である倉石義男の活躍を描き、今作では彼よりも約30歳年下の婦警の生き様を描いている。年齢も役職も、何より性別が異なる二人の人物像を照らし合わせた時、横山作品のもつ幅の広さを痛感しないわけにはいかない。なお作者紹介の「顔」は、本書のものよりも、『臨場』における横山氏の「顔」のほうが私は好きだ。三ツ鐘警察著を舞台とした『深い追い』(新潮文庫)も情緒豊かな人間が数多く登場するお薦めの作品である。
5.0 不器用
 本書の主人公・平野瑞穂は生き方が不器用な為、自分の希望する部署からある事件をきっかけに左遷させられしまう。次々と起こる事件に誠実に、ひたむきに、不器用にぶつかっていく瑞穂は警察官として、そして、人として成長していく。
 瑞穂に限らず、横山秀夫が描く主人公達、全員に共通することは”不器用”な事(無論、手先とかではなく、生き方や性格が)ではないだろうか?作者・横山秀夫も自分が創作した人物達に負けず劣らずに”不器用”な人物なのだろう。なんたって、日本で一番有名な文学賞に向かって喧嘩するぐらいだし・・・。もちろん、私もそんな不器用な横山秀夫をこれからも読み続けたい。

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