夜来香ラプソディを中心に
ジャズ・コーラス「山寺の和尚さん」
淡谷のり子を女王と言わしめた「別れのブルース」
チャイナメロディーの金字塔「蘇州夜曲」
そして不屈の青春ソング「青い山脈」
数々の名曲を生んだ服部良一。
本書はその生涯を音楽番組のプロデューサー出身、
フリーライターの上田賢一氏が記したものだ。中心となるのは1945年の上海。
長きに渡った上海繁栄の灯が消えんとする最中、
その最後の光芒を飾ったのは、欧米人でも中国人でもなく、
一人の日本人音楽家服部良一だった。
服部は日本人でありながら中国人に扮していた
女優・歌手の李香蘭と上海交響楽団と、
「夜来香〈イェランシャン〉ラプソディ」という
シンフォニック・ジャズ・リサイタルを開催する。
グランド・シアターで幕を開けたそのリサイタルは
上海始まって以来の人気を博したのだ。
主観的な視点もさぐるのであれば、自伝
「僕の音楽人生-エピソードでつづる和製ジャズ・ソング史」
を併せて読むことをお薦めする。