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蹴りたい背中

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蹴りたい背中の解説

 『インストール』で文藝賞を受賞した綿矢りさの受賞後第1作となる『蹴りたい背中』は、前作同様、思春期の女の子が日常の中で感受する「世界」への違和感を、主人公の内面に沿った一人称の視点で描き出した高校生小説である。

   長谷川初実(ハツ)は、陸上部に所属する高校1年生。気の合う者同士でグループを作りお互いに馴染もうとするクラスメートたちに、初実は溶け込むことができないでいた。そんな彼女が、同じくクラスの余り者である、にな川と出会う。彼は、自分が読んでいるファッション雑誌のモデルに、初実が会ったことがあるという話に強い関心を寄せる。にな川の自宅で、初実は中学校時代に奇妙な出会いをした女性がオリチャンという人気モデルであることを知る。にな川はオリチャンにまつわる情報を収集する熱狂的なオリチャンファンであった。

    物語の冒頭部分を読んだだけで、読者は期待を裏切らない作品であることを予感するだろう。特に最初の7行がすばらしい。ぜひ声に出して読んでいただきたい。この作家に生来的に備わったシーン接続の巧みさや、魅力的な登場人物の設定に注目させられる作品でもある。高校1年生の女の子の、連帯とも友情とも好意ともつかない感情を、気になる男子の「もの哀しく丸まった、無防備な背中を蹴りたい」思いへと集約させていく感情と行動の描写も見事だ。現在19歳の作者でなければ書くことができない独自の世界が表現されている。 (榎本正樹)

蹴りたい背中の商品レビュー

2.0 作者の羞恥心を疑う
 この作品を好きになる方法は、同級生を見下すことでしかアイデンティティーを得られない主人公ハツに共感するか、作者の「感受性」に感嘆するかどちらかである。
 もっともハツ=作者であり、作者自身が経験した感覚に、多少の脚色をして書いた作文である。
 当時の作者の年頃は、女子高生時代の感覚が残っていると同時に、物語化できるだけの時間差も持ち合わせている。何より「感覚」を他人にひけらかすことを恥じらう羞恥心が欠如している時期でもある。

 作品中、ストーリー性がなく、何も起こらないことは評価としてマイナスにはならない。しかし、構築された作品という意味での小説とは呼べない。作文である。
 また、登場人物がだれ一人魅力的ではなく、印象にも残らないのは致命的だ。ハツはそこら辺にいる凡庸な女子高生の一人にすぎない。誰にでもハツのような感覚はあっただろう。それを垂れ流しているに過ぎないが、いかにも「他人より考えている」風に細工をするところはあざとい。
 騙される読者にとっては「技巧」と見えるだろう。
 
 日本の小説は、作品にはなく、作品外(作者と作者が持つキャラクター性)にあるといわれているが、この作品はその最も悪い例である。

 買う価値はない。
 
  
 
2.0 芥川賞の選考基準って?
この作品は、ハイティーンによって執筆された「高校生モノ(小説)」である。 主人公のハツはグループになって仲間と一緒に群れて行動することを潔しとしない“変わり者”。一般的・標準的な女子高校生像とイメージを異にする主人公設定は面白いと思う。

その“変わり者”ハツ、そして、ハツとは好対照の絹代、美人モデル「オリチャン」命のオタク高校生“にな川”の3人を中心に話が進んでいくわけだが、ごく限られた登場人物、非常に短い期間設定、起伏に乏しいストーリー展開は作品としての厚みに欠ける。句読点のつけ方にやや違和感を覚えるものの、文章が平坦であるためスラスラ読み進むことができるのだが、なんとも物足りなさを感じてしまった。芥川賞の選考基準も今一度確認してみようとも思ったものである。
2.0 ちょっと暗めの青春。
クラスの皆と調和しようとせずに孤立した女生徒が周りの人間へ被害妄想を抱きながら、
自分と同じくクラスと調和していないのに平気そうな男子生徒に対して、
負の連帯感を抱き、さらにその連帯感を男子生徒に対して求める自分自身を嫌悪する、
というのが大まかなストーリー。

ありきたりな恋愛物語でないだけマシかもしれないが、如何せん軽い。
安っぽくはないけれど軽い。本を読んだ気がしない。伝わってくるものがない。
それでも芥川賞を取っているのだがら、頭がいい人が読めば面白いのかもしれない。
だが僕ら凡人に理解できないのが致命的と言える。
1.0 時間と金と電気エネルギーの無駄
私にとっては、時間とお金の無駄、それ以外の何物でもありませんでした。
話題性作りのみに与えられた芥川賞に乗った自分が恨めしい。

何を主題においているのか(仮に主題がなくても何を伝えたいのか)、
まったく分からない、かつ、尻切れトンボの最後。

本を読んでイライラしたい方、
著者の顔が可愛いと思った方にはお奨めです。
2.0 主人公が好きになれない
人付き合いが苦手な主人公。そういうところが自分に似てて(同じ高1ということもあって)共感できたんですが、でも、どこか他人を邪魔者のように思っている節があって好きになれませんでした。もう少し他人に対して積極的にはれば、そういった価値観も変わっていくと思うんですが、他人に関わろうともしないで、分かったような口ばかり叩く主人公に嫌気がさしました。
多分、この本の世界観が狭いのも、内容が浅いのも、作者自体が他人とあまり関わらない人だからじゃないかと感じました。

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