社会学と哲学の融合
「世界で一番古い職業」といわれる売春は現代にも続いている。
世界で一番古い職業は現代においては大きな変化を遂げている。
本書はその変化に焦点を当てている。
売春は女性にとってマイナスの心理的な影響を与える。
それは売春がタブーを犯すことであるという意識が
心の奥底にあるからである。
しかし、現在はその意識は薄れつつある。
その背景にあるのが素人による売春や情報の氾濫である。
筆者は売春に対する女性の考え方の推移を社会情勢と絡めて
分析している。売春をすれば儲かるというのはバブル崩壊と
同時に終焉を迎えた。また、「援助交際」という素人売春の流行が
若い女性たちが風俗業界に飛び込むために越える心理的な
垣根を低くしているといえる。
本書は風俗嬢が興味本位で書いたものではない。
風俗嬢としてみてきた「人間」「社会」を彼女なりに
語ったものである。いうなれば現場からの報告であり
現場からの警告でもある。 大変読みやすく鋭い分析が展開されている。
風俗業界とバブルの関係や、援助交際という名の
素人売春により、以前は風俗嬢になるのは
一大決心であったことが、いまでは「単なるバイト」
という意識に変わったということを分析するあたりに
著者の鋭い分析力が現れていると感じた。