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没後に編集された、米沢が手塚治虫について論じた文章を集めた本。 第1章は、「手塚治虫大史」「手塚治虫小史」と題された2本の文章を収録。網羅的にほぼすべての作品に触れながら、手塚の作風の変化、手塚マンガの独自性、他の漫画家との関係などを丹念に追っていく、まさに、この著者しかかけない、手塚論。 第2章は「初期三部作」「火の鳥」などの代表作を論じ、「物語と世界を描く」作家であった手塚治虫の作家性を示す。 第3、4章は、主に、「手塚後」の、求心力のなくなった漫画界を論じた文章を収録。 第5章は、ヒゲオヤジ、アセチレン・ランプ、ロックの「手塚スターシステム」の名優を、短編まで含めて網羅しながら論じる。 第6章は、「手塚治虫のエログロナンセンス」を論じた文章。ここは、著者も楽しくかけたようで、文章に精彩がある。 いずれの章も、米沢嘉博にしか書けない、「個々の作品についての鋭い目配せ」「作家の全体像を見る」という、2点を兼ね備えた文章ばかりであり、そのことは、みなもと太郎による解説で、明解に書かれている。 この本の熱気にあてられて、つい、手塚の未読マンガを、かなりの冊数、AMAZONで注文してしまった。