|
商品の情報
ナチュラル・ウーマン (河出文庫―BUNGEI Collection)の商品レビュー 男性には やはり女性は分からないのか?
松浦理英子は寡作である。出された本は 数えるほどしかない。しかし その存在感は相当なものである。 うーん。生々しかったです。でもうまい。
つくづく、女でないと書けない小説だと感じた。女の同性愛の話だからではなく、行間から立ち上ってくる生々しいまでの生理感覚が、まさに女特有のものだから。愛するということは、自分の身を削って、すり減らしていくことなのだろうか。でもそれこそが青春なのかも知れない。どんなに絶望しても裏切られても、人は愛することをやめられないのだから。 生々しく立ちのぼる女肉の匂い
恋愛(といっても同性愛)の辛さ、喜び、切なさを克明に描いている。それだけでも十分読むに値すると思うが、そのあたりは他のレヴューに譲るとして、自分が特筆したいのは、読んでいて女陰のにおいが生々しく立ちのぼる稀有な作品だという点だ。これは比喩で言っているのではなく、幻臭とでも言うか、本当にそのようなものをはっきりと実感した。あと下着や生理用品の匂いも。こんな作家は世界中探してもなかなかいないのではないだろうか。ほかにいたらぜひ教えて下さい。 至高の愛のひとつの形
「私」をとりまく、三人の女性との愛の物語。時間がさかのぼってゆく構成になっており、これは面白い手法だ。夕記子、由梨子、花世の中で、結局「私」にとって一番意味があるのは花世との関係だ。「私」にとっての愛は、花世との緊張関係の中に存在する危ういものだ。花世に取り込まれたいという欲求は、花世に拒絶されることによりまた高まり、それゆえ狂おしいほどに花世を求め、また拒絶される。そうした矛盾の中に「私」は自分のあり様を認める。決して成就しない愛。「毛皮を着たビーナス」や「痴人の愛」にも通じる、ひとつの至高の愛の形がここにもある。性器を巡る「私」と「花世」のやりとりは本当に興味深い。 ヒリヒリうっとりする恋愛
こんなに痛い恋愛はないのかもしれません。好きで好きでたまらないのに、一緒にいるとお互いの身を削っていくような恋愛。身体も心もヒリヒリするような交わり。こ気味よく展開される甘くて痛い会話。 本の最新売り上げランキング - トップ10
| |||||||||||||||||||||||||||||||||||||