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マグロと恋する夢を見た直後、そのマグロかスーパージェッターともつかない人物から電話がかかってきて、誘われるままに海芝浦へ出かけていく……(タイムスリップ・コンビナート) 出だしは前衛的で先の展開を期待させるのですが、その後がどうも面白くない。長いこと電車に乗って海芝浦へ出かけていく途中、衝動的に降りたり乗り換えたりして、電車の中では窓の外の都市の描写が延々と続く。意識の流れという手法なのでしょうか? 主人公の考えがあれからこれへと凄まじい展開をして、正直全くついていけませんでした。他のページでレビューなんかを見てみると、文章が美しいと評したりしていたので楽しみにしていたのですが、特にこれといって特別なものは感じられません。むしろ他の美文と評される作品と比べて、冗長としか感じられないです。先ほど言ったように途中で意識の流れ等が入り込んで来るので、例のマグロも途中で吹っ飛んでしまったりして、ストーリー性もあまりなさそう。 特に『二百回忌』がすごかったです。赤い喪服を着て出かけていったら時間軸がめちゃくちゃで、死者が蘇っている。そこではとにかく適当な方向に流れていくように振る舞わなければならないというのですが、家の壁が突然かまぼこだったり、読んでいて意味が分からないという印象しかありませんでした。 最後の『なにもしてない』は内にこもる人間のありようが良く描けていたかな、という気もしますが、特別面白くもありません。女性らしい皮肉も散見されてとにかく読了後いい気分になるものではないでしょう。 ほめる人にはこのめちゃくちゃな感じがたまらないのでしょうが、面白くない人には全然面白くないだろうなという気がしました。 因に、野間文芸新人賞、三島賞、芥川賞をこの三作品で取ったというので『三冠』というタイトルはご自分で付けたそうです……