著作権という熱い分野への、新たな知と学の、実践的な挑戦!
法学、経済学。ともに、エスタブリッシュされた学問領域であって、それぞれに学問としてのハイアラーキーが確固としてあり、領域もはっきりとある。著者らは、著作権というきわめてホットな分野に、法学・経済学の相互作用によって、制度再構築を検討する際に有用と思われるアプローチ、理論、洞察を展開している。
政策や法改正の経済的意味合いを探る方法、あるいは、現行法の枠組みで一律に律しようとするのではなく、より実情に合った制度を設計する際の留意点などが、学問的な堅固さを踏まえながら展開されている。
法学、経済学ともに学問的トレーニングが足りない、私のような者にも、本書第8章の「著作物の流通とインセンティブ」における報酬システム類型とインセンティブの分類や考察は、実にわかりやすく、自らの音楽活動、著作権に関する考え方がどこに位置するものであるのかということを確認できるようなわかりやすさであった。
このような学問的なアプローチは斬新だ。具体的に現在噴出している問題を解決する際の有用なツールを提示している。今後のこの分野での、法学、経済学の交流と展開が社会全体に貢献できることのポテンシャルの大きさを感じる。発展を望みたい。