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造形集団 海洋堂の発想 (光文社新書)

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造形集団 海洋堂の発想 (光文社新書)の商品レビュー

5.0 オタクの戦闘哲学
「戦うことになれてます」と「タマゴ型チョコレート戦争」開戦前夜の気分を表す1ページ目から一気に読ませてくれる。自分の好きなものは好き、やりたいことはやりたい、それだけで突っ走って、本人たちはあえて言葉にしてはいないが「成果は後からついてくる」という状態。乗っ取り騒動の相手方当事者たちを今になって評して「オタクの血の部分での違い」があったと著すし、フルタ(実名で登場)とのゴタゴタの件は最後の一文が「大人の解決をあえてしようとしないのが海洋堂なのです」。この一本筋の通ったところが、例えば著名なオタク作家が「実写デビルマンを観てしまい、口直しに海洋堂へ寄った」などという話がでてくるような創造集団を形作ったのだろう。
褒め言葉だと念のため断った上で、あえてこう申し上げたい。
「どこに出しても恥ずかしくないオタクの姿がここにある。」
4.0 毎日が学園祭
~父親が「館長」母親が「常務」息子の筆者が「専務」という華麗な
(?)一族経営の海洋堂が、小さな「街の模型屋さん」から世界に
冠たる造形集団へと突き進んでいく様子を回想した本だが、複数の
レビュアーの方が書かれているように、企業としてのサクセススト
ーリーと考えてはいけない。企業理論や損得勘定では到底はかれな
~~
い海洋堂の姿がそこにはある。好きなときに好きなだけつくって、
みんなで飯くって銭湯いって模型談義してはまたつくって、一緒に
寝泊まりして。まるで学園祭の前日のような日常をくりかえし、な
んでも世界一にならなあかん、という館長の言葉どおりに突進する
海洋堂は、仕事と人生について従来と全く異なった世界を魅せてく
れる。~
5.0 フランク
フランクな文章がとても好感を覚えるし、内容自体ももってまわったような迂遠な表現ではなくストレートにズバリと切り込んで折られるので、読み出すと一気に読み進んでしまう。
以前「田宮模型の仕事」という本を読んだことがあるのだが、広義で同業者の社長の著作でありながら、こうまで印象が異なるものかと驚いてしまった。

読み出すと一気に読み進んでしまいたくなるので、できれば休日に読まれることをお勧めします。

5.0 ものづくりとオタクの原点
チョコQ、チョコエッグや『週間わたしのおにいちゃん』やタカラの『リカヴィネ』、『KTフィギュアコレクション』などなど、最近は、食玩の大ブームで、海洋堂をよく目にしました。わずか数百円にこめられた狂気の技術。考えてみれば、ガンプラ等が流行った小学生の頃から、聞いたことがあったような気がする。伝説の海洋堂。それが、なんなのか?が、宮脇専務(創設者の宮脇さんの息子さん)の自伝的な語り口でさらっと読めます。あさのまさひこさんの『海洋堂クロニクル―「世界最狂造形集団」の過剰で過激な戦闘哲学』も合わせて読むと効果的。たぶん、大組織のマーケティングや経営技術のヒントとして読むと、全くもって役に立たないでしょう(笑)。しかし、たぶん本物の、真の、オリジナルの「ものづくり」の原点というのは、こういう姿勢にあるのだなぁ、と思わされました。異様に日本的臭くて、合理的で戦闘的で、狂気をはらんだその姿勢(笑)。本田宗一郎さんの『私の手が語る』や、平松剛さんの『光の教会-安藤忠雄の現場』などをあわせて読むと、「モノづくり」に見せられる狂気ってこうなんだなぁ、としみじみ感じます。

「ぼくらは作らせてくだされば満足するお子さま集団」という自尊の言葉は、笑えるよなぁ。模型を普通に買うマーケットを日本に作り出したいという、自分の『好きなもの』からスタートした壮大な目的のぶち上げ方はすごいね。感動しました。知っている人にはあたりまえなのかもしれないけど「ワンフェス」が、岡田司斗夫さんがやっていたゼネラルプロダクツから譲り受けたものだというのは、びっくりした。

5.0 伏せ字なしのさわやかブック
自分たちの技術を自慢した本ではありません。変人たちの集まりをおもしろおかしく書いた本でもありません。成功の秘訣も書いてありません。企業の話としては、おそろしく役に立たないような本です。でも、「ぼくらは作らせてくだされば満足するお子さま集団」と言い切り、信念のままにつきすすんできた、ありのままを語っています。自社のアイデアを盗んだり、不義理をしたメーカーは実名出して、そういうのは、よくない、とはっきり言ってますが、読んでいてとてもさわやかです。最近は、質の悪い正義がはびこっていますが、お子さまの正義は、いちゃもんをつけられないくらいの正義です。海洋堂という会社の話ではなく、もはや世界でも絶滅危惧種に指定されるようなさわやかな人たちの話です。海洋堂が、本物をまねた偽物ではなく、それ自体で芸術である、というのが、納得できる本です。

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