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ブッダとそのダンマ (光文社新書)

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ブッダとそのダンマ (光文社新書)の商品レビュー

3.0 現代インド仏教のバイブル
 著者アンベードカルはインド不可触賤民解放運動の指導者であり、インド独立の際、法務大臣としてインド憲法を起草した政治家でもある。カースト制度を容認するヒンドゥー教と決別し、平等を説く仏教に数十万人の民衆と共に改宗した。アンベードカルはその直後、急逝するが、日本人僧侶佐々井秀嶺がそのあとを引き継ぎ、いまやインドの仏教徒は1億を超えるのではないかと言われる。

 本書はこの現代インド仏教のバイブルともいわれる書で、アンベードカルが死の間際に書き上げたものである。ブッダの生涯とその教え(ダンマ)について広範な原始仏典をもとに体系的、かつわかりやすく記述したものである。

 特に仏陀の生涯については詳細かつ生き生きと描かれており思わず引きずり込まれてしまうが、解説によるとアンベードカルの創作が混じっているという。いわゆる「四門出遊」の代わりにコーリア国との開戦をめぐるシャカ族の内紛を出家の機縁としている。何でこんなことをするのか。嘘をついては成らないとブッダは再三説いているではないか。

 内容の一貫性の欠ける部分もある。206ページでは「ブッダがダンマと呼ぶものは宗教とは根本的に異なっている」と明確に断言しているのでひそかに拍手を送ったのだが、別のところでは「最高の宗教である」となっている。

 本書は初心者には薦められない。ある程度仏教についての基本的認識を持った人はそれなりに読む意味がある本であるといえよう。
5.0 ブッダ版「イエスという男」
死後の魂を否定するブッダを主張する本。著者は学者かと思いきや、インドの仏教復興の指導者であるそうだ。葬式仏教の日本では考えられない事態である。
不殺生の教えは単に動物の供犠に反対しただけである、等々、主張は実に明快、かつ魔術的な宗教(狭義にはヒンズー教だが、日本の仏教ってヒンズー教みたいなものだと思わされる)への批判で一環しており、社会に対して開かれている。
田川健三の『イエスという男』を想起させる必読書。個人的には、不可知論に逃げ込んで開き直る『死んだらどうなるの?』の著者辺りには無理矢理にでも読ませたい。

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