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下流社会 新たな階層集団の出現

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下流社会 新たな階層集団の出現の商品レビュー

2.0 既に一定の役目を終えた一冊
古本でも良ければ、今や、ずいぶん安い値段で手に入る。送料の方が高いくらいだ。

この当時は、格差に関する客観的なデータが豊富ではなかったという事情は考慮しなければいけない。しかし、そもそも著者が感覚で得た仮説に対して、十分といえるだけの裏付けをとらずに刺激的なタイトルを付けて性急に出版してしまっているため、本書に批判が集中するのは致し方ないと思われる。

この本が出版された時期は、低所得者層への注目が集まり始めていた頃と重なる。今や、格差は社会問題としてはっきり認識され、ワーキング・プアという言葉も社会に根付いている。さらに雑誌や一部書籍では貧困がもたらす様々な問題にも注目が当たっている。騒がれているわりには対策が十分進んでいるとはいえないのが残念であるが、ここ数年でいろんな研究が行われ、様々なデータの発表や、新聞や雑誌の記事や書籍が出てきているため、この問題について今更わざわざ本書に頼る必要はますます無くなっていることを改めて実感した。

致命的な欠点はあるが、ほとんどが中流という幻想の中で生きていた当時の日本人社会において、低所得者層に社会の関心が向かう流れが生まれた。著者がそれをどこまで意図して書いたかはわからないが、結果的に本書がそのような機運が生じる際に一定の役割を果たしたことまでも完全に否定してしまうことは難しい。内容に問題があるからといっても、結果論としてその点については多少の評価はしなければならないだろう。
4.0 2005年の時代を映す『下流社会』
『下流社会』は、社会的な話題になった。その評価は、良くも悪くも、それほど影響力があったと言える。

昭和34年(1959年)を舞台にした映画「ALWAYS 三丁目の夕日」は、高度成長へ向かっていく日本の活気を伝えてくれた。
その時代を思い返せば、今は、かなり豊かな時代である。
経済的・社会的な意識の相場観が、人びとの幸福感を左右している。

この『下流社会』は、現代社会の気分と意識、経済活動を分析して、かなり正確に読者に伝えてくれている。

p125 500万円が結婚の壁
 150万円未満では結婚の可能性はないし、300万円未満でもかなり厳しい。300万円を越えるとようやく結婚が可能になり始め、500万円を超すと一気に結婚が現実になり、700万円を超えると9割、1000万円を超えると100%結婚できるのである。

p183「表6-2 団塊ジュニア女性の階層意識別趣味」を見ると、「上」ほど「読書」のパーセンテージが高いのが分かる。

p215 コミュニケーション能力が高い男女ほど結婚しやすく、仕事もでき、消費も楽しむという一方で、コミュニケーション能力の低い男女ほど結婚しにくく、ひとりでいることを好み、仕事にも、消費にも意欲がないという分断が生じる。つまり、男性であれ女性であれ、コミュニケーション能力という性格によって、上流と下流に分かれていくのだ。

経済社会の中で生きる私たちは、この『下流社会』から見えてくるものを、ある視点として学ぶことも必要のように思われる。

 2008年11月28日 追記
島田洋七さんの『がばいばあちゃんの幸せのトランク』(徳間文庫2006年)を、手にしてみませんか。
2.0 下流の遠吠え
女性の分類は面白いかな、と思いましたが・・・

データと言うには数が少なすぎるし、
それで本に出来るんだ!!というのも驚きだし、
「下流社会」という言葉が受けたんでしょうね。

こういう面もあるかもしれない、というスタンスで読みました。
(そうしないと下流の人になってしまうんでしょ?)
1.0 くだらない本です
この本は、著者が論を展開するにおいて都合の悪い人たちが見事に排除されて書かれている。それは、真のオンリーワンを目指して日々努力している人たちである。

例えば美容師を目指している人たちは、「かまやつ系」などと一括りにされ、意欲が無いとされているが、私はいきいきと目標に向かって努力している美容師さんを何人も知っている。逆に、外資系金融機関を解雇され、すっかり意欲を失ってひきこもりになってしまった者も知っている。

それからこの本で取り上げられているデータ自体に全く信憑性が無く、そもそもどこどこの分野には意欲のない者が多いなどという分析自体まったく無意味である。
3.0 内容より「下流社会」ってタイトルの書物がベストセラーになったことに意味
 ベストセラーこんな中途半端な時期に読んでる自分、って感じなんだけど、これって元を辿れば、辻井喬の「新祖国論」を皮切りに、辻井喬、上野千鶴子の対談「ポスト消費社会のゆくえ」⇒ 上野千鶴子 、三浦展の対談「消費社会から格差社会へ」⇒三浦展「下流社会」って流れなんだよね。この、本の中の引用、参照っていう、本と本のリンク構造ってまさにWebだよね。
 さて、そんな感じで手に取った「下流社会」だけど、このタイトルが閃いた時点でベストセラー決まり!っていう印象である。つまり、内容はタイトルに合わせてある種チューニングしていった感がある。もちろん、下流社会ってキーワードを思いつくまでが大変なわけだけどさ。そういう点では、この本は三浦展にしか書けなかったとは思うけど。まぁ、10項目からなる「下流度」チェックのツカミといい、まるで血液型のような男女それぞれのクラスター分けといい、結果的にベストセラーになる要因というか、努力も怠っていない訳だけどね。繰り返しのようになるけど、内容はさて置き、「下流社会」ってタイトルの書物がベストセラーになるって現象のほうが社会学的には意味があるんだよね。ある種、「下流社会」って言葉からイメージされるコンテクストが、広く社会的な関心、共感を得たってことで。その後ってまさにタイトルのひとり歩き状態だもんね。だから、あんまり内容について重箱の隅をつつくことに意味はないんだけど、やっぱN数が10とか一桁のクロス集計で物事を語るってのは一般書だからってよくなくなくないですか、もちろん確信犯だろうけど。
 まぁ広告業界やマーケッターにとっては、調査結果なんて仮説を都合よく補強するための装飾でしかないけどね。ベストセラーなんであえて苦言を呈してみました(まぁ統計的にどうであれ、言ったもん勝ちっていうか、三浦展のヨミは強ち間違っちゃいないと思うけどな)。

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