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バール、コーヒー、イタリア人―グローバル化もなんのその (光文社新書)

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バール、コーヒー、イタリア人―グローバル化もなんのその (光文社新書)の商品レビュー

4.0 日本が見失っているもの
趣味分野の本ともいえますが、ビジネスの視点からも読めます。

バールとは、イギリスでいうバー、スペインでいうバル、日本でいう喫茶店やカフェに近いもの(かな?)。
なんとイタリアにはスターバックスの店舗がゼロ。
バール、そのほとんどが個人経営。
エスプレッソコーヒーの値段は法律での縛りがあり、たったの120円前後!
なぜつぶれない?なぜスタバ攻勢に遭わない?

バールにて、「乳児にミルク」とお湯を所望した母親。
淡々と哺乳ビンを煮沸消毒後、人肌に冷ましている"18、19歳"の店員。
初回は普通?2度目に来たら親しげに、3度目以降はもう常連扱い。
リッツ・カールトンにも匹敵するサービス?

そんな秘密は本書をお読み下さい。

コーヒーにまつわるネタ(うんちく?)も仕入れることができますよ。

ビジネス書に疲れたときにどうぞ!
コーヒーブレイク・・・・! 



4.0 ふれあってバール
うかつにもこんな軽いタッチの新書で感動してしまった。

<「ナポリにはね、カフェ・ソスペーゾと言って、誰か、ゆとりのある人がバールに入って、一杯のエスプレッソを飲んで、二人分のエスプレッソ代を払っていく。すると、その後から懐の淋しい人がやってきて、バールの主人に『カフェ・ソスペーゾある?』と訊ねる。主人がこっくりうなずけば、その人はただでエスプレッソを飲めるってわけなの」>

美談である。しかし、もう少し背景の補足が必要だろう。
イタリアの人口は5800万人。そこに、15万軒のBar=バールがあるそうだ。人口比にして、日本のコンビニの約9倍である。すごい数である。なぜか。多くのイタリア人にとってはバールは本当に生活になくてはならない存在になっており(外食費の1/3はバールに遣うらしい)、懐が淋しくてバールでエスプレッソも飲めないということは、ほとんど社会的生活から脱落することを意味するのである。ナポリの仕組みは(今は廃れてきているみたいだけど)、小さな社会保障なのである。

もう一つ。別の例で、お金じゃなくて、店自体がない地域の話。地方の小さな町でバールの独立経営が成り立たないようなところの場合、CIRCOLO =チルコロというタイプのバールがあって、地域の人が交代で店番をして、バールを運営するそうだ。そこまでしてバールが欲しいか、という感じもするが、やっぱり欲しいのである。これもいい話じゃないか。

イタリアは、世界経済に占める地位は年々低下しているのだけれども、こういう共同体を大事にする精神が強く息づいていて、それが訪れる人たちをうらやましい気持ちにさせるのである。旅行で行った場所でさ、住民が地元のこと嫌いそうにしてたら嫌じゃないか。
5.0 非常に面白い。
イタリア滞在中に読んだ。本書に書かれている事は、基本的には著者の経験談なのだが、近視眼的な誤解が少なく、文献や資料に基づくフェアな判断が殆ど。バール探訪や、エスプレッソの味わい方の参考になった。
4.0 バール、真の「イタリアらしさ」に触れる場所
「バール」とはイタリア独特のコーヒースタンド。駅や街角にたくさんある。立ち飲みだったり、カウンターだったりして、イタリア国内に15万軒以上もあるという。また、パン屋や雑貨屋などいろいろな店を兼営していたりする。このバールやコーヒーからイタリア人文化を見ようというのが本書。本書によると、スタバはバールが誕生のきっかけになったという(にもかかわらず、イタリアにスタバは未出店らしいが)。そういえば、なんとかマキアートとかいうメニューはイタリア語だそうだ。

本書の前半はバールと著者との関わりが柱。店主含めバールの登場人物は誰もが洗練されていて心地よい。フィレンツェで、アルプスのふもとで、リミニで、著者はバールの中のイタリア人と出会い、その真髄に触れていく。一つ一つのエピソードがイタリア人の粋さ、気持ちよさをよく表現できていると思う。

また、バールでは日本のようにメニューにとらわれず「ミルク入り」「ダブル」「リキュールをたらして」など自由自在。エスプレッソだけをとっても南は深煎り、北は浅煎りなどなどマニュアルに拘束されない。そんな多様性がイタリア食文化の良さであり、迫りくる食のグローバル化を跳ね返す原動力にもなっているとする。

別項でバールでの注文の仕方、主なメニュー、主要都市のカフェ案内が記されていて、本書を片手にバール訪問もできるようになっている。

後半は、バールのメーン商品であるコーヒーにまつわる文化や貿易の話。発展途上国のコーヒー農家が直面する厳しい現状や、コーヒー豆を高く買い上げることによってそうした状況を打開しようとする「フェアトレード」について、わかりやすく書いてある。これはこれで興味深くはあるが、バールにまつわる爽やかな話が流れる前半との違和感は感じた。バールならバール、コーヒーならコーヒーとテーマを絞った方がよかったかもしれない。

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