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ホワイトカラーは給料ドロボーか? (光文社新書)

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ホワイトカラーは給料ドロボーか? (光文社新書)の商品レビュー

3.0 ホワイトカラーの現状と今後を考察する本
題名に比べ、かなり「まじめ(?)」な本です。
大きく、4つの部分に分かれています。

「生産性の問題」「残業の問題」「給料の決まり方」
「今後のホワイトカラー」です。

「生産性の問題」は、いろいろなデータや統計の前提を読みながら、
日本のホワイトカラーの生産性が決して低くないことを示します。

「残業の問題」は、ホワイトカラーエグゼンプションの話、
残業を減らすには、などです。

「給料の決まり方」は、経済学からの考察などです。

「今後のホワイトカラー」は、ホワイトカラーは、今後どうなるのか、
どう生き残れば良いのか、、等が説明されています。

かなり、ボリュームと読み応えがあった本です。

結論は、どこかで聞いた話も多いですが、根拠などと共に示されており、
まとめて、読むと、参考になること多々です。
5.0 題名に似合わず(?)本格的な良書
著者の門倉氏は、地下ビジネスの分析などユニークなアプローチで以前から話題になっている人だったので、軽い気持ちでこの本を買ってみたのだが、読んでみて分析のレベルの高さに驚嘆した。代表的な統計に現れない部分まで丹念に調べ、真実を追究するという氏の真摯な姿勢は素晴らしい。また、本格的な議論を読者を退屈にすることなく平易に書き下している点も好感が持てる。

特に前半2章の労働生産性に関する記述は、洞察力に富んでいる上、独自の試算で裏づけをしており、新書のクオリティーをはるかに超えている。第3章のホワイトカラーの賃金の決まり方に関しても、日本独自の雇用制度に由来する労使のパワーバランス、労働者のジレンマ、業績評価の難しさを考慮して、丁寧な分析をしている。

敢えて不満を挙げるならば、「日本のホワイトカラーはどこへいくのか」と題した最終章が、政策提言という観点からはやや力強さと説得力に欠ける点だ。例えば、最低賃金の引き上げについて好意的に論じているが、失業率に与えるマイナスの影響について触れていないのは議論として不完全であるし、正社員・非正社員を固定的な2種類の雇用形態として論じている点も、現状分析としては十分でも今後の日本の将来像を踏まえると必ずしも十分でない。しかし、こうした点は紙面の制約の問題でもあり、本書の良さを損なうものではないだろう。
3.0 食い足りない
本書の趣旨はだいたい次のような感じでしょう。――日本のホワイトカラーの生産性は低いと言われているが、統計データを見る限り、そのような指摘はあたらない。全般的に見て日本のホワイトカラーの生産性は高いが、個人差が大きい。できない社員が職場全体の生産性を落としており、そのため、優秀な人ほどできない社員の穴埋めのために長時間労働者やサービス残業を強いられているという状況がある。このような状況では、ホワイトカラー・イグゼンプションを入れても無意味である。まず、個々の仕事の成果をきちんと評価できるよう整備するとともに、「社内ニート」などを増やさないよう、社内FAなどの制度を設けて、意欲の喚起をはかることが先決である。

ホワイトカラーの生産性について焦点をあてた点については、面白いと思いますが、全体的に薄味感がいなめません。検討すべき視点としても、必ずしも十分だとは思えません。常識的に考えてみても、職場の生産性を落としているのは一部の怠けている労働者だけではなく、遅い意思決定や曖昧な業務分担、非効率な働き方などそれ以外のさまざまな要因があると考えられます。そもそも、昨今はどの企業でも職場人員が非常にタイトになっており、「社内ニート」がはびこるほどに職場は余裕のある状況にありません。

各国のホワイトカラーの働き方や職場のあり方(業務分担の仕方、意思決定の方法、情報の共有化の度合い、職場文化など)の比較を通して、ホワイトカラーの生産性を論じた方が、もっと面白くなったのではないかと思います。全体的に食いたりなさが残りました。
4.0 タイトルほどのインパクトはないが...
タイトルの受け狙いは有ると思います.それ自体は否定しませんが,内容にはタイトルほどのインパクトはないかもしれません? でも,読む価値はあると思います.

ホワイトカラーの生産性が低くなっていると云われているが,これに対してデータを用いた分析からそのような単純な考察が危険であるとの主張.どちらかと云うと研究論文的な内容であるが,専門用語を多発せず,読みやすい平易な言葉を使っているので,比較的すらすら読める.分かりやすい.

人間の能力が一律ではなく,一部の優秀なホワイトカラーが全体の生産性を上げている実情を考えると,必ずしもホワイトカラーの生産性が低くなっているとは云い切れない.また,労働時間の試算に対して,『サービス残業』が加味されていないことを指摘,これをもってしても一概にホワイトカラーの生産性が落ちているとは云えないわけだ.

最期に,ホワイトカラーに流動性のない日本は,流動性の高い米国で成功している『ホワイトカラーエグゼンプション』の導入は時期相承であり,現状のまま導入していれば失敗すると警告している.また,その流動性を上げるには,ホワイトカラーのエンプロイアビリティ(どこの会社でも通用する普遍的な労働能力)が必要となることを述べている.これら主張に特に目新しさはないが,労働問題を考える上での現状雇用問題を良くまとめているとの感想です.
4.0 ホワイトカラーの命運
「日本のホワイトカラーの生産性は低くない」
グローバル化が進み、賃金が上がらなくなった現代におけるホワイトカラーの現状と今後の生き残り策を論じる。

門倉氏の著作は、統計データに裏付けられた説得力のあるものが多いが、本書も同様。日本の労働者の生産性の数値上の低さについて、派遣労働者の増加や、ヤミ労働者の少なさなどを挙げながら反証していくところなどは非常に面白い。

ホワイトカラーは、ブルーカラーよりもパフォーマンスの差がはっきりと現れる職種だ。しかも、そのパフォーマンスは、測定が難しく、また、環境や運によっても大きく振れるものである。そうした、ホワイトカラーの仕事の特性を踏まえた、「なぜ残業はなくならないのか」という議論も面白い。

グローバル化による国際競争が進み、比較的単純な労働に従事する者には常に賃金の下方圧力がかかる現代における、ホワイトカラーの生き残り策は何か。本書の結論も「エンプロイアビリティ(多くの企業で普遍的に通用する職業能力)を高める」ということである。当たり前といえば当たり前であるが、低賃金かつ深夜のサービス残業を強いられている、時間的にも金銭的にも余裕のないホワイトカラー層にとっては、能力開発をするのもなかなかしんどいのが現状だろう。

ホワイトカラーの現状と今後についてよくまとまっている本。身近に「この人はどう見ても給料ドロボー」という人がいる方も、そうでない方にもおすすめ。

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