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ウェブはバカと暇人のもの (光文社新書)

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ウェブはバカと暇人のもの (光文社新書)の商品レビュー

5.0 ツイッターを知らないとまずいんじゃないかと思うあなたに
凄いタイトルの付け方ですが、本書を読むと上手い表現だなぁという気がしてきました。
 "バカを無視するネット「万能論」”
から始まり
 ”ネットはあなたの人生を何も変えない”
まで、"ネット漬け”の中川氏だからこそ書けるネットの実態は、決して「Web2.0」の
明るい可能性だけ見ていてもいけないのかなぁという、現実を見せつけられます。

CGM,AISAS, バズマーケティングを必死に勉強している企業人には、ぜひ肩肘はらず一読を。
Twitterを真面目にトライアルし始めた私にも、丁度良い”頭にガツンと一撃”になりました。
4.0 そうなんだよね
本当、メガサイトのトピックスとWikiに収斂して、
B級ネタをみんながつついて遊んでいるってことが、
この本を読むとよくわかる。

クラウドやらスマートフォンやらで、さらにネットワーク依存、
という方向性は、すでにユーザー目線ではなく、
ビジネスのイノベーションというお題目で進められたものに見える。

こっち側についてこないと大変だよ、というメディア側のあおり方に、
警鐘を鳴らしているのが本著。

2.0 一理あるが・・・
 著者の言う事には一理ある。著者の主張に同意する者も異論がある者も、一読すべきである。

 しかし、著者には倫理意識が欠けていると言わざるを得ない。例えば、亀田興毅、沢尻エリカや倖田來未を叩く人に対して「亀田、沢尻、倖田がお前にどれだけ迷惑をかけたんだよ・・・・・・、どれだけ実害を与えたんだよ」(33頁)と批判しています。確かに、倖田來未が35歳以上の女性を傷つけた事以外には一般人には実害を与えていないでしょう。
 しかし、それでいいのでしょうか。街中でごみを捨てる人がいれば、自分の土地でなくとも注意するのが普通ではないでしょうか。27頁で「路上に座って喫煙する高校生を注意する大人など、何年も見たためしがない」と述べているように、匿名でなければ他人の行為を非難できない人間がいるのは事実です。また殆どの場合、他人を叩く行為には相手を更生させようという愛情が無いのも事実と言って差し支えないでしょう。これらの点は大いに問題にすべきです。しかし、だからといって他人を非難する事そのものを非難する事は、倫理的なバランスを欠いています。「お前には迷惑をかけていない」ではなくて、「お前の非難は常軌を逸している」と非難すべきです。ヘビーユーザーをバカとか暇人とか言うのならば、この2つの違いくらいは理解できるでしょう。
 著者は「ネットでブレイクできる商品はあくまでモノが良いものである」(158頁)と述べています。ネット上で叩かれる行為も同じ事が言えるのではないでしょうか。一部の誹謗中傷を除けば、ネットで叩かれている物は叩かれる本人に原因がある。学校や職場のイジメとは違うのです。
4.0 ウェブ理想論から現実論へ
この本はこれまでウェブに抱かれてきた過度の期待や賞賛を否定し、ウェブという世界の実態を紹介している。

著者はネット上のニュースサイト編集者であり、ウェブの実態を当事者として把握できる立場にある。
著者は、自らのサイト運用者としての経験と、ネット上で発生した事件(祭りなど)を具体例にこれまでのウェブ賛美論に懐疑を示し、ウェブの現実を読者へ紹介する。

卑近な例を用いて、日本のウェブコミュニティがいかに不毛なコンテンツに溢れているのかを分かりやすく説明している。
ウェブに過度に期待することはやめて、おいしいところをリアル世界とうまく合体させながらやりましょう。と述べており、頷ける内容である。

その一方で、「インターネットはこれ以上進化しない」という主張には賛同できない。
著者はひろゆき氏の「最近の新しいネットのサービスは既存技術の見せ方を営業的に姿を変えているだけで、これから新しい技術が出ることはない」という発言を引用しているが、著者はこの発言を誤認している。
Googleの日本語IME、ストリートビュー、AppleのiPod(iPhone)を見れば分かるように、これらはどれも既存の技術を巧妙に組み合わせた物である。「発明」とは技術の進化だけではない。いかに技術を組み合わせるかも「発明」であり「進化」である。
ひろゆき氏はインターネット「技術」の進化がこれからはないだろうと言っているだけで、何もインターネットが進化しないとは言っていない。

このような点があるとしても、ウェブの実態を理解するには非常に良い本だと思われる。
3.0 ネット万能幻想に踊るセビロ族広報担当者への冷や水
 評判になってた頃、それこそタイトルに「釣られて」購入したものの本棚に積ン読状態だったのを、気分転換に読んでみますた。ベストセラーの法則通り、基本的にはタイトルが総てですが、『下流ナントカ』みたいに統計振りかざして高いところからご託宣してない分、面白いところも多々ありますた。ネットは居酒屋みたいな場だなんて説明は、すごく納得(p191)。
 ところでこの秀逸なタイトルですが、「現場からのネット敗北宣言」なワケですよね? 問題はどういう「現場」からの、どういう「敗北」かです。
 まず「現場」っていうのはニュースサイト編集という現場ですね。当然ボランティアじゃなくて、広告取ったりタイアップ記事出したりしてるサイトです。他方で「敗北」っていうのは、本書p244に「ネットよりも電話のほうがすごい/ネットよりも新幹線のほうがすごい」なんて言葉もありますが、本書全体に目を通した印象では、やっぱりTVに対する敗北感の方が濃厚だと思います。で、何を敗北してるかっていうと、マーケティングの広告媒体として負けてるって話だと思うんですよ、結局(ま、TV広告の効果だって、永年に亘ってさんざん議論した挙句、決着はついていないんですけど……)。
 きっと著者は、「Web2.0」論なんかに踊らされてネットに過剰な期待を抱いてやって来る広報担当者たちにウンザリして、冷や水浴びせたかったんでしょうね。それが「バカと暇人」とか「敗北宣言」とか、刺激の強い言葉を選ばせたのでしょう。それくらい言ってやらなきゃ分かんないんだよ、あのセビロ族どもは、と。
 ま、そういう本ですから、理論的・客観的なWeb論だと考えると、言い過ぎてたりナンセンスだったりな部分もあります(「ネットで可能なことは、だいたい別のもので代替できる」(p237)なんて、それを言い出したら何だってそう)。私はネットが人類史の上で何番目の革命かには興味がありませんが、何らかの大きな分節点を成したことに間違いはないと考えていますよ。

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