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戦略の不条理 なぜ合理的な行動は失敗するのか (光文社新書)の商品レビュー 軍事戦略や軍人の行動を知るにはよい本
戦争や経営において合理的戦略をとってもうまくいかない場合がある。それは、物理的世界のことしか考えてないからだという。戦争においては、ポパーが言うように「物理的世界」「心理的世界」「知性的世界」の3つの世界に立体的にアプローチしなければならずこれを「キュービックグランドストラテジー」という。心理的世界は兵士や敵の心理に対応すること、知的世界は政治的対応などを言うようだ。 「知性的世界の戦略論」って??
著者の主張は「キュービック・グランド・ストラテジー」という体系らしいのですが、その中での「知性的世界の戦略論」とは、蓋を開けてみると「取引コストを考慮する」というだけのものでした。それとロンメルの軍事戦略は関係するのでしょうか?確かに軍師としてのロンメルのすばらしさは存じ上げているつもりですが、名軍師というだけなら古今東西いろいろいるでしょうし、「知性的世界の戦略論」と称するまで他と次元の異なる戦略家だったのでしょうか?しかもその中身が「取引コストを考慮する」というのみのものだとした場合、何か実践的に寄与するものとなるのでしょうか?いろいろ「??」が頭を駆け巡った本でした。 物足りない面もあるが、有益でもある本
著者は、防衛大学と中央大学や慶応義塾大学など私立大学の双方で教授を務めた経歴を持つ。 HowTo本が権勢をふるう現代の出版界に一石を投じる作品
昨今のビジネス書の売り上げランキングをみると、直ぐに役立つと有益さを謳ったHowTo本が溢れている。もちろん、これ自体を否定する訳ではないが、故に、もっと人間の本質に迫る普遍性をもった作品に飢えた読者は多いのではなかろうか。そんな読者にお勧めしたいのが本作品である。 戦略論以前に問題あり
第1章は、山本七平『孫氏の読み方』に対する批評から始まる。すなわち、「旧日本軍は現実世界に目をむけることなく、実際には存在しない空虚な幻想や観念や精神にもとづいて、まったく愚かな戦い方をした」という山本七平の指摘を批評して、「私は食べ物や鉄の武器や弾丸と同じように、観念や幻想や価値も実体として存在すると考える」と主張している(p.24)。「観念や幻想も食べ物や鉄の武器と同じような実体」とはいかなる主張か? 「同じ」とは、相互に完全に代替可能な2つの「実体」をいうのではないか?広辞苑によれば、「同じ」とは、「質・状態・程度などが同一であること。差異がないこと」である。正しくは、「観念や幻想もひとつの実体ではあるが、食べ物や鉄の武器とは異なる実体である」というべきであろう。山本七平による旧軍批判の一連の著作は、「観念や幻想をもって、まったく異なる実体である食料や鉄の武器に代替可能である」という幻想に囚われた軍指導者を批判しているはずある。インパール作戦を立案した牟田口廉也中将は、「1カ月や2カ月は飲まず食わずでも戦えるのが皇軍将兵だ」と強弁して、補給を求める前線の師団長を叱咤したようだが、菊澤氏は「なるほど、皇軍精神も食料や鉄の武器と同じように実体である。よって牟田口中将の主張は正しい」と考えるのか? 本の最新売り上げランキング - トップ10 | |||||||