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殺人の凶器としての地雷が利用される物語、表題作『顔のない敵』などの 作品は、もちろん悪くは無いと思ったが、やはり残酷過ぎる気がして、 私にはどちらかというと、『銃声でなく、音楽を』などの 地雷に関わる人間の周囲で事件が起こるという作品の方が、興味深く感じられた。 特に、地雷の恐怖、地雷除去NGOの苦労というすぐ思い至る面だけでなく、 人間関係や資金繰りなどのボランティアや開発途上国の醜い現実などにも スポットを当てた作品になっている点が、真実味や怖さ、命の重さを 改めて感じさせられたし、心に残った。 また、処女作は地震で停まってしまったエレベーター内という すぐ犯人が判る中での犯罪に走る犯人の動機はいまひとつだが、 普通の日常で簡単に普通の人が殺人を犯すことが起こり得る怖さを 感じさせられ、なかなか面白く思えた。