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次世代を担う新鋭作家たちによる書き下ろしミステリー叢書「東京創元社◎ミステリ・フロンティア」のなかの一冊のノベルス化。 全人類生まれた時はすべて女性、のちに一部が男性に転換するという特異な世界を舞台に繰り広げられる奇想の学園ミステリーである。 男性化候補の筆頭で、誰からも慕われていた優等生の西野優子が殺害された。 優子と異母姉妹にあたる船津遙(はるか)に対して刑事、校長先生、謎のジャーナリストたちは同様に「お姉さんから何か聞いていなかったか?」とたずねる。彼女に死をもたらしたこの世界に潜む大いなる謎とは---?遙たちは姉の死の謎を解き明かし、犯人をつきとめるべく行動を開始する。そして事件は連続殺人へと発展し、それは“BG”という、政府の関わる一大秘密プロジェクトと密接に関係してくる。 舞台は破天荒だが、そこは石持浅海らしい、ディテールにこだわった端正で論理的な謎解きが楽しめる。たとえばある登場人物が男性化する際、女性でいる間は‘わたし’と表記されていた一人称が男性化したら‘私’と変化したり、ちょっとした会話のなかの言葉や動作の描写の中に、謎を解明する上で重要な伏線が、実に巧みに仕込まれていたりする。 読者は一ページなりとも気を抜くことができない。よく考えられ、構成され、創作されたミステリーである。
斬新な舞台設定 このひと言につきる。とにかく、読んでみて欲しい!今までの石持浅海氏の作品からは想像できない内容だ。 変わらないのは、石持浅海氏独特のテンポ良く展開するストーリーと鮮やかな結末と場人物の人間的側面を重視したハードボイルド小説であることだ。