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眼中の悪魔 本格篇―山田風太郎ミステリー傑作選〈1〉 (光文社文庫)の商品レビュー 謎の東洋人の正体は?
◆「黄色い下宿人」 贋作ホームズの最高峰
日本探偵作家クラブ賞(現日本推理作家協会賞)受賞の“眼中の悪魔”“虚像淫楽”を含む、山田氏の初期推理小説集です。 医学生としての専門知識を見事に活用した上記の二作が優れているのは勿論のことですが、私はむしろ山田氏のまったくの創造力の産物、贋作ホームズものの“黄色い下宿人”をなんと言ってもお薦めします。 そう、夏目漱石は、ホームズが活躍していた時代のロンドンに留学していたんですよね。でもその漱石が、ホームズと丁々発止の推理合戦を繰り広げるなんて話を他の誰が考えたでしょう? 話の面白さにワクワクしながら読み進んでいくと、ラスト近くで漱石がこんなセリフをホームズに投げかけます。 “金銭財物にあこがれるのが、必ず貧乏人に限っていると考えるのは、浅薄な見解です。 むしろ手段を選ばず千万長者になった人の方が貧しいもののちょっとした贅沢にやきもちをやき、1シリングにさえも貪婪な渇望を持っているものじゃないでしょうか? 国家に例えて言えば、この大英帝国のようにー”この皮肉、この真実、こんな推理小説を他の誰が書いたでしょう? 恐るべし山田風太郎! 肉欲と食欲の世界と作者は言う
個人的に初山田風太郎でした。もちろん名前は知っていたし、忍法物のエロ作家ぐらいの認識しかなかったのだが、最近日本の推理物を読んでいる影響で、山田風太郎も推理作家だったと知り、読んでみましたがこれがびっくり。1948年から53年までの最初期短編と58年の「誰にでも出来る殺人」を収録したものだが、いや傑作ぞろい。「誰にでも出来る殺人」は本当に凄い。こういうのを天才作家というのじゃないでしょうか。本当に驚きです。作品の奇想の面白さはともかく、作者の人や世の中に対する洞察力が只者ではない。近年の人の世の理をよく分析し小理屈をこねた島田、京極などの気鋭の推理作家ほど理路整然としてはいないし、殺人染色体と言ったり、差別的な偏見も無い訳ではないし、少し非科学的な事も書いたりしているがそれらに対して小理屈で反論も出来ると思うが、そんな小賢しい反論など有耶無耶にしてしまう程のオーラを感じる。それも一理あるかなと思ったりもしてしまう。作家さんとしても天性の文豪の気配を充満させている。凄いです。P128.P165.P182.P226.P315.P602辺りの言葉が私の胸に響いた。人間山田風太郎の事をもっと知りたくなった。こんな風に思う作家さんは久しぶりだ。最後に京極夏彦の「絡婦人の理」の後書きで評論家が山田風太郎みたいと書いていたが、全然検討違いじゃないですか。表面上はそういう風に見えるかも知れないがね。これについて書くと長くなりそうだからこの辺にしとこ。 「本格!」正統派な感じ
作者は時代物で有名な山田風太郎さんですが、日本ミステリ作家大賞だったかなにかそんな名前の賞を受賞されたため全集(全12巻)が出ることになったその1巻め。 ほおお
世の中に熱烈な風太郎ファンとはいらっしゃるようなので、かの着想の豊かさと、読ませてしまう文章にリズムに言を重ねることは控えさせていただくも、わたくしのような"Futaro, Who?"の状況にあった人間の脳天にも素直に響いた(実は、忍法帖ものは多少苦手だったりするが)。 本の最新売り上げランキング - トップ10
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