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ゲームの名は誘拐 (光文社文庫)

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ゲームの名は誘拐 (光文社文庫)の商品レビュー

4.0 狂言誘拐
 完全に主人公からの視点のみで構成された作品.スピーディであり面白い.伏線も上手く回収されており,納得の内容だ.ただ残念なのがラストシーンで明らかになる犯罪に対する完全な結末が示されていないこと.あの結末を書ききってこそ,一流の作家といえるのではないだろうか.
3.0 映画も原作もイマイチ
 本作品の実写版である映画は見ましたが、イマイチでした。しかし、実写版は面白くなくても原作は面白いということはよくあることなので期待していたのですが、原作もイマイチでした。

 全体的にイマイチだったと思うのですが、特にラストがイマイチでした。作品の性質上詳しく書くことはできないですが、読み終えてもスッキリしなかった、というのが一番の理由です。「え、そこで終わっちゃうの」という感じでした。

 残念ながら、本作品は今まで読んだ東野作品の中では下から数えたほうが早いと思います。
4.0 もう一つの完全犯罪は?
 これは、「誘拐もの」と言うより、人質と犯人がグルになっているから「狂言誘拐もの」の一種と言うべきだろうが、その範囲ではすごく面白い小説。読み始めたら、途中ではやめられない。
 完全に犯人側の視点だけで描かれ、警察が動いているかどうかもわからない。そんな状況で、敏腕広告プランナーでもある犯人の佐久間は、警察の動きを予想し、先手を打って完璧な計画を立てて実行していく。
 いわば、佐久間の頭の中の警察と、佐久間自身の知恵比べとでも言える展開になっているのが、斬新な設定と言えるし、ページをめくる手が止まらない理由でもある。もちろん、相手は人質の父親でもあるけれど。
 作者の東野圭吾は、善人が出てこない物語を作りたかった、と言っているそうだが、そういう悪人だけの犯罪小説として成功していると思う。

 また、人質の「樹理」が魅力的。彼女も一種の悪女だけれど、小悪魔という感じで、その言動にはドキドキする。彼女が人質でなければ、この作品は娯楽作として成功しなかっただろう。

 しかし、「完全犯罪」の誘拐事件の裏側で、同時進行していた、「もう一つの完全犯罪」が結局どうなったのか、決着がついていない点は納得いかない。善人がいない小説が狙いなのだから、犯人が逮捕されるとかいう、「社会的な決着」は必要ないだろうけど、物語としての、何らかの決着はつけてほしかった。
1.0 よく出来た絵空事
褒めている意見が多い中でなんですが、話はライトで読みやすいが、リアリティを期待する
向きには駄目でしたねぇ。
大手自動車会社の副社長夫妻の車がベンツとBMになっていて、なんだかなぁ・・・。
狂言誘拐をスタートするにあたって行動チェックをしているけど、その前に目立ちすぎていた部分へのフォローはないし。
本当にやったら?間違いなく捕まっていると思いますが。
純粋に、「推理小説」が好きな人間にはオチもわかってしまうしね。

まあ、狂言誘拐−犯人視点といえば、岡嶋二人の佳作が世にあるわけで、あの吸い込まれるような?落ちていくような?臨場感を求めてはいかんということなんだろうけれど。
4.0 勝負は引き分け?
一流を自負する広告プランナー「佐久間」が心血を注いだプロジェクトが、そのクライアントである日星自動車の御曹司「葛城」副社長に白紙に戻されるところから物語りは始まります。

人生をゲームに見立て、綿密なプランを立て、その克服に喜びを感じてきた「佐久間」とゲームに自信を持つ「葛城」、「葛城」に一矢報いたい「佐久間」が、ゲームの達人を自負する「葛城」に誘拐と言うゲームで挑みます。

「佐久間」は、ヒョンなことから「葛城」の娘「樹理」という共犯を得て、綿密なプランを立てゲームを実行し、見事に成功したかに見えますがどんでん返しが待っています。

この物語の中で重要な役割を担う「樹理」ですが、どんな環境で育ったのか、と思うほどしたたかに描かれており、最初は非常に違和感を感じたのですが、読み終わると納得します。

読み進めていく中でヒントになる「葛城」が言った3つの文章を記しておきます。
◇勝負時での直感力と決断力があるかどうかで、成功する人間とそうじゃない人間に分かれる。
◇万が一のことを考えてプロテクトを作る。
◇優秀な人間は、知らず知らずのうちにに自分を補強する材料を入手している。

人生を生き抜いて行く上でのヒントにもなりそうです。

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