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幼年期の終わり (光文社古典新訳文庫)

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幼年期の終わり (光文社古典新訳文庫)の商品レビュー

5.0 もっと早く出会いたかった名著
大学生の頃の冬、野郎友達と毛布に包まりながら、14インチのテレビで見た「インディペンデンス・デイ」。後から考えてみれば後世に残るB級映画だったのだけれど、それでも、都市を覆うサイズの宇宙船が降りてくる恐怖。絶対的な力の差を目の当たりにして、ただ立ちすくむ我々(その後大統領が戦闘機に乗って果敢に挑んじゃうんだけど)。「なんだか将来、ひょっとしたらあり得る風景なんじゃないか」、今も脳ミソの隅にこびりついている。

その原風景は、すでに50年前にあった。エヴァンゲリオン、家畜人ヤプー、各種伝説的作品の源は、まさに50年前にあったのだ。

圧倒的という言葉が最適な名著。何故もっと早く出会えなかったのか、と後悔するほどに。
2.0 読みづらい感じがした
原文を忠実に直訳するとこうなるのか、ユーモアを含んで少しひねった文章が随所にあり読みづらい感じがした。
(訳者もあとがきに「忠実に訳し、ユーモアが多い」と自分で書いているけど・・)。

文章の内容にふさわしくないユーモアは省略したほうが読者には読みやすいのではないでしょうか。
例えば、父親が自分の子供(5歳くらい)との永遠の別れの場面で
「飼い犬は今後はまた以前のように自分を主人と思うだろう」
という意味の一文があるのだが悲しい場面には合わない気がする。

物語の内容に関しては、1950年代の作品という古さをあまり感じさせなく興味深く読んだ。
地球に侵入してきた異星人と戦うという「よくある話」ではなく、全ての人間が戦争がなく平和で公平な日常を送れるようにありとあらゆる享受を何十年もの間、異星人から受けるという内容。はたしてその異星人の目的は・・・

結末間近では「はしょっている」感を受けた。理解しづらい表現や言い回しがあった。話のスジに関るところは直接的に書いて欲しいと思った。
また、新訳ということだったので機会があれば旧訳と読み比べてみたいと思った。
4.0 SFなんて?という人にも絶対にお勧めです。
映画"Jane Austin's Club"では、SF青年がSFの素晴らしさを熱く語るものの、文学少女には鼻にもかけてもらえないというシーンがあった。文学少女は、心の襞まで描き込まれた人間ドラマが大好きなのでリアルでないSFなんて読むきにもならない。

子供時代はSFも愛読したが、最近はどうも、なんて思っていたら、光文社古典新訳で『幼年期の終わり』を手に取った。でも、SFだからな、なんていう具合に読み始めたが、あっという間に物語世界に引き込まれた。

エリアンも出てくれば、宇宙船もでてくれば、星間移動の高速ワープなんていうSFの必須アイテムは出てくるのだが、物語がとにかくリアルで詩的なのだ。クラークは、あの『2001年宇宙の旅』の作者でもあるのだが、映画で見たモノリスが無言で僕らに何かを問いかけてきたように、広大な宇宙の中で人間存在の意味、文明の意味を本書は問いかけてくる。

宇宙船で大気圏をつきぬけ地球を眺めると誰もがちっぽけなかけがえのない地球号の乗組員であることを理解するように、この小説を読むと文学では理解できないリアルな人間存在の意味を意識することがえきる。

原作の英語の詩的な文章がそのまま日本語になっており訳も名訳でした。
1.0 上から目線の小説。
この路線、苦手。
解説にあるとおり、オバーロード(上帝)が主人公で、語り手の分身なのだろう。けれど、上から目線の小説なんて、敬遠したい。というか、人類の保護者になりきっている、語り手の意識には、ヤバイものさえ感じる。
そして、人類が神様みたいになると、置いていかれたオバーロードに哀愁がただよう。でも、彼らには人類を成長させた自負が……。
簡単にいうと、これは、老人が若者を教育する話。ただし、その動機は、「若紫」のような愛ではなくて、肥大化した自分の自意識を保つためなのだ。こんな話、いやだ。
確かに、冒頭で突如として現れた巨大な宇宙船は、SF的なイマジネーションを刺激する。でも、それはありがちな設定。クラークの創出でもない。
この作品をSFの代表的名作と持ち上げることには反対。もっと面白いSFがあると思う。
5.0 人類の未来に関する興味深い考察
宇宙人との接触から始まる人類の肉体的・精神的変化。フィクションではあるが、ちりばめられている科学的知識によって、人類のこれからが語られる。著者が描く新しい世界像は魅力的で引き込まれる。人類と宇宙人が共生できるのかといった様々なテーマがたっぷりつめられている読み応えのある本だった。

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