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さて、萬月愛好読者として一言断りを入れて置きたい。私はこの蝦夷地編を前作の浅草編より前に読んでいる。道民として、そして浅草編より早く入手できた事から蝦夷地編から先に読んだ。只今浅草編を読んでいるが順序違いが却って権助の出自を推理でき楽しめているような気がする。 蝦夷地編では権助が津軽の茂吉と共に津軽海峡を小舟で渡り、維新直後の蝦夷地を生きる様子が書かれる。当然そこには蝦夷地ならではのアイヌとの絡みがあり、道民としてはまず読みたかったというのが本音だ。 最近の萬月氏の著作の傾向として、「たびを」にも通じるかと思うのだが登場人物のpersonaの非常に大きな変貌が目立つように思う。 この編では茂吉だ、津軽の社会底辺にいた茂吉は蝦夷地に渡り大きな変貌を遂げる。 この編では権助と茂吉の別離以来二人の独立した視点でstoryは進む。パラレルの変化に富み全く違う二人のstoryが進む。 この二人の行き着く処は何処にあるのか、邂逅はどういう形をとるのかこの編では明らかにされない。 北海道の歴史考証上においても内地の人には理解されずらい部分が詳細であり、道民として好感を持つ。萬月氏の著作においては本人の現地での実感、取材資料などが正確であり、少なくても北海道民の自分として北海道を題材にしている部分について非常にrealityを感じている。 この「大河小説」、萬月氏の初めてのcategory,基本的に現代をbaseにして展開させてきた萬月氏、更に幕末、維新の歴史factorを加え、第三部はどう結んでいくだろうか、、、 非常に楽しみである。