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敗因と

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敗因との商品レビュー

1.0 日本サッカーの本当の敵は
記名がない、それに関連して、誰が何に関して言ったのかの文脈が定かではない(それ以前に久保のコメントなど他の記事で使われたコメントが切り貼りされて引用され、別の文脈になっているものすらある)、問題として上がっている中田・ジーコなどに対する調査がないなど、この本の問題点は他の方が上げているので今更上げるまでもない。第一、中心人物である金子氏の最近の著作で、彼がどれほどあてにならない著者なのかは分かるものであり、今更言っても仕方がないものだ。それでもファンはいるのだからそういう人たちがいる以上、「商売に頑張って欲しいです」としか思えない。

問題は、このような本を笑いながらでも読むのならばともかく、何の疑いもなく「確かな情報」として受け取ってしまうことだ。ジャーナリズムの基本を満たしていないこのようなものを鵜呑みにして特定の誰か・何かに原因を擦り付けてももむなしいだけである。

たしかに、日本協会、選手の質も世界ではまだ誇れるようなものではない。その上この本に見られるように、日本のサッカージャーナリストに質は悪い。しかし、一番低質なのは、この程度の本をメディア・リテラシーのカケラもなく受け取る「良心的な」サポーターである。
4.0 必然の惨敗
恐らくジーコジャパンは日本代表史上最も才能豊かな選手の揃ったチームだった。
だが故にその惨敗は余りにショッキングなものに思えた。
日韓の勝利の歓喜を再び味わうのを期待した国民には余りに唐突な惨敗…

しかし、彼らは選手個々の才能と可能性だけを秘めていたが、団結や信頼というチームとしてのアイデンティティーを失った抜け殻の集団だった。
原因はジーコの無策と無責任なチーム管理、中田への過信などだ。
中田の人間性はアトランタ五輪のエピソードが有名だが、彼はまた再び同じ過ちを犯した。
それが若さ故の造反と思われたが彼は10年前と何も変わってはなかった。
攻撃欲求というエゴをDF陣に押し付けて、常に口論を繰り返し、同世代の宮本との確執を深める事が同時にチームとの確執を決定的なものにしたと思う。
彼の言うラインを高く上げる戦術は確かに効果的だがそれは中盤からの献身的な守備が求められるもの。
試合後半にスタミナの無い福西と共に半分守備を放棄していた中田にもその原因があるのは明白だ。

もちろんチームに最低限の戦術や規律を与えなかったジーコにも責任は多大だ。

そして何よりそのジーコに日本サッカー史上最も才能豊かな世代を丸投げした協会が一番の罪人だ。
この惨敗は必然だ。
しかしそれをまた繰り返す事が一番の罪にもなる。
そうならない事を祈る。
3.0 ライターのネームバリューで売らんかな
金子達仁をはじめとする中堅ライター3人が様々な観点から今回のW杯で最も注目されなかった代表チームの一つについて解き明かそうとしている。

オーストラリア、クロアチア、ブラジルそれぞれとの試合を、チーム内の確執や、それを解こうとする努力や、それが不調に終わっていくプロセスを、TVの実況(日本のメディアではないところに意味がある)の視点などを通じて切り取った10のルポの多くは、それぞれ読み応えがある。


10のルポは、金子達仁×2 戸塚啓×5 木崎伸也×3 となっていて、良くも悪くも3人の特徴がよく現れた文章だ。

しかしながら、ルポの本数が一番少なく、手法や文体も含め内容的にも新鮮味のない金子達仁の名前が著者として最も大きくクレジットされ、かつ金子のルポの題名が書名にまでなっているのはなんとも解せない。

ライターのネームバリューで売らんかな、の本作りがミエミエである。このあたりのスタンスは、出版社の猛省を促したい。
1.0 フィクションかノンフィクションか
実名で出している以上、ノンフィクションなのだろうと推測はできる。
ただ匿名の部分、あれは本当なのだろうか。
なぜ匿名にしなければならないのだろうか。
“敗因と”とタイトルで使っている以上、ちゃんと実名を挙げるべきだったと思う。

“28年目〜”で出来ていたことができない。
それがこの金子達仁の限界であり、現状の温い文章なのだと思う。

それを“よし”としてきた読者、出版社、本人の罪は重い。
2.0 金子達仁の不幸、日本のサッカーライティングの不幸
 
 この本をどう受け止め、どう評価すればいいのだろう。

 ワールドカップ・ドイツ大会で砕け散った日本代表の内実に迫ろうとした本、なのだろう。いや、その試みがまったく無益なわけではない。帯によれば「稀代のスポーツライター3人が……全世界50人に及ぶ選手・関係者を徹底取材!」した作品である。いくつもの新しい視点・事実を伝えてくれてはいる。

 引っかかるのは、その「徹底取材」をまとめた手法だ。三人称を基本にした「ニュージャーナリズム」的な叙述である。書き手が実際に見ていないシーンを取材から再構成する、いわば「神の視点」だ。その視点への信頼を読者に与えるには、それなりの筆力と覚悟が必要だが、この作品にはそのどちらもが足りない。

 過度に断定調の表現、不要と思える大仰な書き方、ときには書き手の自己陶酔とも思えるスタイル(一例をあげれば、7章の冒頭の5行とラストの3行)、そんなものがやたらと引っかかる。とくに重要と思えるコメントにかぎって、話者が「ある選手」と匿名になっているのも信頼感を欠く。週刊誌でも盛んに書かれたボンの日本料理店に残る「サイン入り日の丸」の真相をめぐる章も、だから、どこまで信じていいのかわからなくなる。

 最もうまく書かれているのは、オーストラリア監督だったフース・ヒディンクとのインタビューを金子達仁がまとめた4章だろう。金子の後輩である2人の共著者は、金子との筆力の差をさらけ出している。

 けれども、金子達仁がとてもいいというわけではない。1996年のアトランタ五輪の日本代表を描いた『28年目のハーフタイム』で鮮烈にデビューした書き手が、2006年ワールドカップについて出版した作品がこれどまりだというのは、いささか寂しい。

 金子達仁の不幸は『28年目…』を発表した直後に、97年のワールドカップ予選で苦戦していた日本代表がらみの原稿依頼が殺到し、彼がそれに細かに応じてしまったことだ。そのとき金子達仁が自分のやるべき仕事をわきまえていれば、日本にもイングランドやオランダのような良質のサッカーライティングの基礎が築かれたはずなのだ。

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