ああ、我は孤独なる魂の粒なり。
所詮、超有名脚本家による手慰みの小説。そんなくだらない偏見は、ものの見事に打ち砕かれた。私が期待していた以上に。鮮やかに。 確かに読む人を選ぶ作品という意味では、これ以上の物はそう無いだろう。第1章「サンク」の冒頭からのあまりに唐突な『ヒヨコ』の述解。全体を通じて多用されるジュニアノベル的な単語のカタカナ表記。嫌悪感を感じるのは必至だが、それが読者に文章に挑む気持ちを植え付ける。その挑戦的な姿勢がおそらく正しいのだろう。
ネタバレなどと、そんな大人しい言葉では表せない中身がこの小説には在る。だから、私には内容は語り得ない。私は文章の上っ面に騙されてしまった。しかし、それ故に、文章の中に神を観た瞬間の衝撃は忘れられないものとなった。「スワンレイク」を臨んだ今では、ギャグと思って読み進んだこの小説の全ての言葉が美しく許された物となった。
「ハチミツみたいに溶けそうだ。ママンの胸で溶けちゃいたい」
こんな文章さえ。
創造主とは別の内なる神。そのルーツが受けた世界のシステムによる仕打ち。瞳の中の蒼い欠片は、いつか降り注ぎ人を包む魂の粒か。求めよう、目指そう、軛を断ち切って。そこに約束の地が在るならば。無垢なる純白の翼に洗われて、時の刻みをなくそう。その地が在るならば。
語り過ぎたかもしれない。というか不条理に褒め過ぎました。肌に合えばこれほど気持ち良い小説は無いので、ぜひご一読頂きたいんですけど。狂的な哲学の一つの形を知るために、マッドな文章に溺れてみませんか。文庫化超熱烈希望。
愛に飢えた登場人物
ハンムラビ法典に基づき過去の犯罪者に殺害行為(未遂もあるが)を
繰り返す5人組
しかし統制が崩れてから物語りの展開を結末へ向かわせる全編を通じてひたすら愛に飢えた人たち
故に統制が崩れるのは最初から明らかに感じる
人間は純粋に相手を愛せるのか
自己愛の投影でしかないのではないか
5人組の結末がこの本のキイワードだが
こんなに自己中であるが故に、相手だけでなく自分の首もしめている気がする
普通に面白い。
前半のラストを読み終えた時、ここで終わってもいいんじゃないかと思った。
その時思わず私は「(・∀・)イイ!!」と口に出してしまったぐらいだ。
まだ半分あるしこの後どうなるのかという期待もあって。その後、後半を読んだ。
感想としては、物語の面白さよりも著者のMessageの説明という感じか。
まぁこの著者のMessageには大分共感できるところがあり私は楽しめたけど、それが反対に合わない人は興醒めするのかもしれない。
個人的には後半の『物語の面白さ』が前半以上になればこの本はかなり面白い本になったと思う。
『著者のMessage』を犠牲にしないでそれが出来ればこの著者は更に進化すると私は期待しています。
深読みすると面白い
全体の分量の半分程を使った一章ではサスペンスが展開されている。前半読んでいるうちは、この本はサスペンスだ、と思うはずである。しかし半分程で種明かしがされ、ストーリーが終わってしまう。この先の展開は・・・と思っていると。何を話してもネタばれになる可能性が高いので、ここには書き込めないが、前半と後半では全く違う次元の話になっている。後半を読み終えた後に、きっともう一度前半を読みたくなるはず。
前、後半で話の趣旨が一気に変わるところは映画「タイムマシーン」(心の葛藤から、単なるSFに)に似ているかもしれない。しかしあちらが欲張りすぎだとすると、こちらは展開の変化が話しに深みを生んでいる。
減点という意味ではなく、これより上の小説はあるという意味で★4つにした。基本的には足りないものは無いように感じた。
映像化が不可能に近いという意味でもお奨めしたい。
僕は好き
好みによって面白い面白くないがくっきりわかれると思う。
僕は思いっきり面白かった。読み終えてしばらくは興奮が抜けなかった。文章的には、脚本家として一流でも小説家としてはまだまだと感じた。
ストレートに説明し過ぎで、小説の良さではなくやはりドラマ的というか…。
幼稚な感じは否めない。
でも雰囲気だけよくて結局何が言いたいのかわからない小説よりは、雑でも
強引でも考えさせられる事がたくさん書かれていたと思う。
究極の愛というテーマだが、それ以外の要素の面白さも色々と含んでいる。
僕には、そっちの方が楽しめた。恋愛小説やミステリーとして楽しむとひっ
かかってしまう粗も、部分部分だけを詩のように楽しめば気にならない。
見ていて恥ずかしい言いまわしもあるが、頭から離れない核心を得た美しい
言葉の方がたくさんあった。
犯人像も種明かしとして考えればベタだが、人間の特性を考える方法としては
斬新で面白い。
評価が1と5に分れるような偏った面白さかもしれないが、相性の合う人が
読めば最高の1冊になれると思う。