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永遠の仔〈1〉再会 (幻冬舎文庫)

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永遠の仔〈1〉再会 (幻冬舎文庫)の商品レビュー

5.0 救いがほしい
5巻という気の遠くなる小説かと思いきや、皆さんのレビューにあるようにあっという間に読みきった。
早く読みたいなと気が気でなく。

優希の父親・母親を、幼少の優希の立場から描写される前半では、どんなにひどい人たちなのかと思っていた。
途中、父親の苦しみや、優希への愛情、家族への愛情がありあまるほど。それにも勝てない父親の心の弱さの露呈。
最後で判明する母親なりの苦しみ。今までの言葉の意味。

優希・ジラフ・モウル、この心に闇を持つ3人に共通するのは、幼少期に関連した親の心の弱さ、未熟さ、にある。
それでも、子供は親を求める。

子を持つ親となる時、子供らの幼少期のこの繊細な感情を思い出し、子供の心に闇をつくらないように努めたい。

優希・ジラフ・モウル、最後は幸せに終わってほしかった。
あんなに苦しんだのに。

負の連鎖を断ち切るにはどうすればいいのだろうか。
現実に起こっているであろう社会問題に心が痛んだ。
5.0 1巻だけでも
天童荒太の他の作品が読みたくて、
古本屋にあったこの作品にしました。

話題になった小説だったのに、
まったく内容を知りませんでした。
またしても負の文学。

あまりにもすっきりとした文体。
さわやかささえも感じられるその文体。
にもかかわらず、書かれている内容の醜悪さ。
リアルな分だけ、背筋が凍る。

謎の一つは、
ほぼこの1巻でわかってしまったが、
過去と現在の行き来が見事で、
ガンガン引き込まれました。
5.0 大長編ながら長さを感じさせない傑作
文庫版で全5巻。最初は気が遠くなるほどの長さ、と思っていたんですが、読み始めたらそのテンポのいい展開にすぐに読めてしまった。

ストーリーは一人の少女と二人の少年を主人公に、過去と現在が交互に進められていくというもの。幼児期に受けた虐待からある事件を起こした彼らが、一度は別々の道を歩んだにもかかわらず、運命の糸に手繰り寄せられるかのごとく再び出会い、止まったままだった時間が動き出す。

二転三転する展開と心の葛藤を描く描写力、飽きさせないスピード感はなかなかのもの。リアルさに欠ける部分は多々あれど、この作品はあくまでミステリー小説、散りばめられた伏線は後半収束し、そして見事に着地する。長さを感じさせない傑作だと思う。
2.0 「生きていてもいいんだよ」当たり前だろ !
「永遠の仔」という題名自身がそもそも日本語として違和感があるのだが、作品における人生観が偏り過ぎている。世の中の人々全てが幼年児期のトラウマに支配されて生きている訳ではないだろう。登場人物が全て精神的に幼過ぎるのである。その意味での作品名かもしれないが。

それに誰よりも幼い命の大切さを実感している筈の主人公が、堕胎を勧めるという矛盾。話が長いだけで、構想が破綻している。幼年児期のトラウマについて作者は勘違いをしているのではないか。人は日常の苦しさの中で、些細な喜びを見い出し、一日一日を送っているのである。それを幼年児期のトラウマを過大視して、「生きていてもいいんだよ」は無いだろう。

作者の死生観、人道感に大きな疑問を抱かせる作品。
2.0 どうにも……
ストーリーよりも、作者の人生観・人間観に違和感がありました。
主要キャラクターに、尊敬できる大人少なくとも年齢にふさわしい
精神的成長を遂げていると思える大人が皆無なんですよね。
例外は梁平の養父母くらいですか。
大人はみんな、精神的に脆い傷ついた大きな子供。
人生における苦しみは、すべて子供時代の親あるいは大人との関わりによるもの。

それがテーマだからといって、登場人物のほとんど、
主要でない端役にいたるまでが
「子供時代おとなから受けたトラウマ」に苦しむ世界には辟易です。
主役の三人だけで充分なのではないでしょうか?
自分の作品世界に登場する人間にはみんな、弱いまま、
傷ついたままでいて欲しいのでしょうか。

罪を犯したら犯したで、ちゃんと償いをする大人も皆無ですし……
自殺するより相手の目を見て謝るべきだと思うのですが。

さらにいえば、性的虐待を受けた女性が看護婦、
身体暴力を受けて育った男性が警官や弁護士なんて仕事に
ついたりしないと思います。
たとえなっても、トラウマを刺激されるばかりの仕事内容に
耐えられないのではないかと思うですが。
「生きていてもいいんだよ」というセリフも不可解です。
生物に対しそのようなことを言えるのは神さまだけです。
そして作者は神さまではありません。

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