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美大卒で、それなりに画力のある人ってどういうワケか暴力とセックス、 得体の知らない伝記、神と悪魔ととかそういう概念に溢れた作品を一度は 上梓したがる癖がどうもあるようで、この作者もご多分に漏れずだなぁ、 そんな気がしました。別のレビューで篠房六郎氏の『空談師』をクソミソ いっているわたしですが、この作品については別です。少なくとも物語と いうものをちゃんと尊重しているようですし、画力だけに頼ってしまって いる腑抜けな醜態も晒していません。他の方のレビューにもあるとおり、 ストーリーは荒削りだし、背景世界の説明も世界観の確立も読者に確実に それが届くレベルにありません。しかし、そんな杓子定規な物差しをはね 除ける熱気が伝わってきます。これはいい。何よりもこの作者がこれだけ 殺伐とした作品を描きながらも「救い」が放棄されていないあたり物語を 紡いでいくための素養があると思います。 残念ながら、その描き出される「絵」そのものの内容から、万人にお勧め できる作品ではないので1巻から4巻通しで☆3つです。けれども、続作 で明らかに作者としての一つの「山」を越えたのが明らかですから、その 記録碑として定義するならば☆一つ足して、☆4つと相成りました。はい。 頑張って下さい>作者 (偉そうだなおいおい)
玉置勉強はそのスジじゃかなり知られたエロ漫画家。 その作者が世間様向けにタイトロープダンサー並みのバランスを取りつつ、時に片足を踏み外して書いた作品の最終巻。 4冊に渡るエロとグロとカニバリズムと暴力の吹き荒れる倒錯のスプラッタ嵐を潜り抜けて最後に見えて来たのは意外にも「愛のカタチ」。 セオスのセリフ、 「な・・何故!! 俺を!! 拒む!! この!! 俺をッ!!」 が象徴的。 支配欲故に暴力的になるセオスやジェンティーレ、片倉(?)など男達の愛は相手を取り込もうとする。 この男達の「取り込もうとする愛」には彼女の意思は関係ない。 強引に取り込む(喰う、犯す)時点で世界は収束する。 しかし、アスタルテ(赤ずきん)は男達の世界から拒絶し、分離する。 無視し、強引に取り込んだアスタルテの「意思」こそが男達の愛(世界)を破壊する。 取り込もうにも永遠に取り込めない他者に対する愛のカタチ。 ストーカー、DV等が問題になる昨今、本作品は現代を愛のカタチで鮮やかに切り取ってみせた。 万人にはとてもじゃないが薦められない。 でも読めば癖になる(人もいる)、クサヤの干物のような一冊。
徹底的にエロくて残酷で美しくて凛として強い女性たちと、様々な意味で弱く情けない男たちとの見事な対比。 強烈でもはや崇拝の域に達するほどの倒錯的な女性の美の描きっぷりはある意味谷崎潤一郎作品に通じるものがあるような気がします。 そして背骨の通ったストーリー展開。 結末はあれしかありえない。
4巻と短く終わってしまってめっちゃくちゃ残念です。ほんとにもっとキャラの活躍が見たかった…。もう表現が素晴らしいです玉置勉強さん!!残酷なエログロ漫画…ですが最終話には胸が苦しくなりました。切なくて泣けた…私は。まぁ意味があまり理解できない終わりですが…;読んでから結構経つけれど、まだまだ赤ずきんちゃんが頭から離れません。と言うか私はルカが好きで仕方ない(萌)この作品に出逢えて良かった!星5!
★5の上。 胸が震えるラストであった。 この素晴らしい物語に出逢えたことに感謝している。 何度読み返しても傑出しているこの4巻だが、だからこそ3巻(実際には2巻のラスト当たりからの性急な展開)が悔やまれてならない。全7巻くらいの内容を無理矢理詰め込まなければならなかった作者の気持ちは如何だったのであろうか・・・。 萌えやエンタメばかりがハバをきかせ奇譚なるものの居場所が狭いのは何もこの業界に限ったことではないんだけど・・・。 ともあれ5年間本当にありがとう、と感謝の気持ちでいっぱいだ。 また、玉置勉強の新たな挑戦に期待しつつ。