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右翼と左翼 (幻冬舎新書)

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右翼と左翼 (幻冬舎新書)の商品レビュー

4.0 近代国家と「右翼」と「左翼」
この本は、理解されているようで、実際は、あまり理解されていない、右翼と左翼を、分かりやすく解説した本です。

右翼、左翼の言葉の元になった、フランス議会の説明から、後半は、明治維新からの日本の右翼、左翼を説明していき、読みやすい本だと思います。

ただ、左翼の説明はともかく、右翼の説明は分かりやすすぎて、少し中途半端な説明になっているような気がします。右翼の場合は左翼を批判する時は、左翼の水準(近代主義)に、合わせざるを得ず、左翼から見れば、凡庸な現実主義者に見えるかもしれませんが、右翼の本質は、ある意味、「反近代主義」であり、近代主義者とは違う、価値観や人間観を持った人を言うわけで、その点を説明しないと、右翼の本質は理解できないのではないでしょうか。
5.0 いや、ふつうに面白かったです
まずこの本の成立過程が面白い。筆者は最初のほうで、自分が教えている学生から右翼とは
何か?、左翼とは何か?というのが聞かれたことがきっかけとなったことを明かしている。

わかるわかる。

というのも、僕も教師には聞かなかったが、それでも大学に入ってから気になってウィキなどで
調べたものである。しかし、そこでも右と左の根本的な違いはわからなかった。
でもわからないのは当然で、そもそも「私右です」と名乗っているやつはいないわけである。誰
かが人やものを右だ左だと分けていき、いつしかその「右翼」「左翼」という言葉が現実に先行
していく、いわゆる“言説”の典型的な例だといえる。
だからして、その言説化が促進された現代においては、「だれそれは右翼か?左翼か?」とい
う問題設定は成り立たない。「右翼って何(誰)??」、「左翼って何(誰)??」という、あたかも
それらが先天的にあったものとして、自明なものとして前景化してきているのだ。

本書は、そんな右翼、左翼に関する疑問という名の「需要」にどストレートに答えた好著。
内容はといえば、フランス革命前夜の第三部会や議会が、右と左に分かれて座ったという
きっかけから、オーソドックスに時代を下り、その対立の変容をたどっていく。
この本を読むとわかるのは、右翼、左翼を知るということは、世界と日本の近、現代史を知るこ
とにもなるということなのだ。

内容もさることながら、右にも左にも肩入れしない、どちらをも突き放すような筆者のスタンス
もよい。ソ連が崩壊したことで、結果的に右と左という対立の意味が限りなく希薄になってしま
った、いわゆるポストモダンの時代が到来したのだが、筆者はそれ以降の右も左も単なるアイデ
ンティティと化してしまい、生ぬるいと切り捨てる。

皮肉なことに、今一番激しいのは、右でも左でもない、どちらをも炊きつけようとしているかの
ようなこの筆者のスタンスの人なのかもしれない。
5.0 右翼と左翼の始まりと終わり
一般人にはなかなか理解しがたい"右翼"と"左翼"。
フランスでの誕生から現在までの約200年の歴史をなぞることで理解を深めるためのガイドです。
どの時代、どの国の出来事についても左右両陣営の立場、思想が検証され、客観的な視点で解説がなされています。
雨宮 処凛著"右翼と左翼はどうちがう?"を先に読んで、近現代の日本の右翼・左翼の知識を得ておくと、各場面ごとに比較することができて、理解がより深まると思います。

歴史や思想の変遷も分かりやすく、ガイドとしては非常に良い出来です。
どちらも時代や為政者、対立陣営へのリアクションとしての思想という色合いが強いために、取り得る立場にズレが生じ、時には180度転換しているなど注目すべき点が多くあります。
個人的には、右翼と左翼という立場はイデオロギーの魅力を失い、人々の共感を得ることが出来なくなっており、宗教が人々の理想を叶える機関として取って代わろうとしている、という著者の総括に頷かされました。
5.0 こんな本を待っていた
「右」と「左」のそもそものいわれから解き明かし、戦前と戦後の日本の右翼・左翼の消長を解り易く解説する。
フランス革命の深化に従って、当初の「左」がだんだん「右」に寄ってきて、もともとの「右」が押し出され、もっと「左」が出現する過程や、ヘーゲルとマルクスの「自由」の違いが、非常に平易に手っ取り早くわかる。
いわゆる自虐史観についても、そもそも「左」の敵である天皇制・軍国主義・資本主義を悪く書くのは当然で、逆に安藤昌益・秩父困民党・百姓一揆は礼賛しているのだから、自虐どころかむしろ自尊史観だという。
「左」の理想が崩壊したあと、理想の建て直しに取り組むという大変な作業を避け、やり易い旧悪暴きにのめり込んだなれの果てで、つまり「左」の自尊史観の残骸だという解説には大いに納得。
著者は左派に位置すると思われるが、アプローチは中立で好感もてる。
実にオモシロイ、広くお勧めします。
5.0 分かりやすく面白い
「右」「左」の概念を分かりやすく解説した、という意味では右に出るもののない名著。
文章はこの手の本には珍しく読みやすいので、
「思想史や思想の勢力などに興味を持ったが、難しいことはよく分からない、」
という若者でも比較的平易に左右の歴史や相違点を知ることができる。
やや現在の左翼に厳しいスタンスでありながらも、ほぼ中立の立場をとっているのも、
入門者にとってはありがたいところだろう。

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