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察知力 (幻冬舎新書 な 4-1)

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察知力 (幻冬舎新書 な 4-1)の商品レビュー

3.0 これってプログ?
「2007年4月にリーグ2連覇を果たしたあと、僕はスコットランドリーグのMVPに選んでもらいました」

各章のタイトルやブロックの見出しを除けば、これが書き出しの第一行。流れを無視していきなり話を始める人のような口調で「察知力」といわれてもなぁ、と戸惑いながら読みはじめました。

著者がプロの書き手ではなく、またそれが新書だったりする場合は口述筆記の割合がかなり高いといっていいでしょう。それはそれでOKなのだけど、ここまでまんまなのも珍しい。なんというか、ある意味新鮮でした。

しかし楽天的なイタリア人でもサッカーの場合だけは勝ちにこだわる堅実な考え方をする、なんて話はサッカー音痴でもなかなか面白い。プレイヤーとしての成功、失敗に関しては、「未来に活かすことができれば、どんな『失敗』も成功だ」という自己啓発本みたいな話も、ヨーロッパでもまれた経験から出されると頷いてしまう。全体を通して、まったりと本人の口から話を聞かせてもらっているようなトーンはこの本のチャームポイントでもあると思う。そう考えればいきなりの話し言葉も、まあ良かったのかもしれないなぁ。
5.0 自分と向き合う
中村選手はスペシャリストのイメージを持っていました。
しかし実際はいろいろなポジションに対応しようとサッカーノートを付けて自分に常に向き合っていました。
就職セミナーでも自分の長所短所を紙に書いて自分と向き合うことをしてから 仕事を探しなさいと言われました。
実際に自分の考えを書き出す作業はとても大切だと思いました。
とてもいい内容だと思います。
3.0 変なキーワード設定が俊輔を縛っている
本作は、日本サッカー界を代表するファンタジスタのインタビューないし原稿を、
構成=寺野典子氏がゴースト・ライターとしてまとめたものと推測されます。

内容は、幼少期からセルティックに至る20年以上のサッカー人生において、
俊輔選手が何を考えて己を向上させてきたか。何が自分の転機となったか。
どのようにして多様な環境に順応したか。日常心がける取り組みは何か。
また、われわれの記憶に残る試合や出来事に遭遇してどのように対処してきたかなどなど、
一見天才と思える彼の地道な努力や驚くべき切り替えの速さを、
不器用に粘り強く語っていくというものです。

ただし、気になったのは、タイトルともなった「察知力」というキーワードの不自然さ。
たびたび「察知」という言葉が使われていますが、
俊輔選手のオリジナルではなく、出版社かライターがひねり出した語法なのでは?
どうも用語法が不自然で、彼の伝えたい内容を不当に制限しているように思えます。

せっかく、俊輔選手の適応力やひたむきなプラス思考に感心させられたのに、
三文字、〜力、インパクトのあるキーワードを!、
といった出版社のあざとさが前面に押し出されているようで、興ざめです。
4.0 俊輔の現在・過去・未来
俊輔のこれまでの軌跡、そして現在心がけていること、
そしてその先に見ている目標について、赤裸々に語った一冊。

試合でのコメントを聞くと、どうしても『無愛想』のイメージが強い選手でしたが、
この本で彼のサッカーに対するアツい思いと
人に対する優しさを感じ取ることができる一冊です。

くわしくはコチラ
http://nikkidesu.at.webry.info/200809/article_3.html
3.0 「察知力」という言葉は読んでもぴんと来ない
 中村俊輔が、いつ、どこでどんなことをして、そのとき何を考えたという話が中心なので、さらさら読める。
 イタリアとスコットランドの文化的な比較(特に選手や観衆のビヘイビアの比較)もされていて、なかなかおもしろい。
 ただ、一般向けだからか、サッカーに関する技術や戦術について大して専門的な記述はない。
 
 ビジネスマンとしての観点から見ると、本書は、「察知力」の本質に迫る本というより、自叙伝的要素が強いように思われる。
 むしろ「察知力」という大げさな言葉を使う意味があまりよくわからない。 
  
 まだ若いからか、文字に親しんでいなくて(実際、参照された文献はゼロ)言語化する訓練ができていないからか、印象的なフレーズにはぶつからなかった。
 読み進めても、目先は変わるが、基本的には同じ話を聞かされてる印象は否めず、「察知力」という言葉も、察知の手法、察知のポイントについて具体的には語られない。
 彼ならば、サッカーで敵の動きを見て何がどう察知できるかに絞って書き、それが日常生活やビジネスへにどう応用できるか、その可能性を説けばよかったのではないかと思う。

 むしろ、気になった言葉は、「引き出しを増やす」という表現である。
 サッカーにおいて「引き出しを増やす」というのは具体的にどういうことを指すのかを明らかでないが、相手に応じて対応のオプションを増やす手法が示せるのなら、サッカーを志す青少年や、サッカー指導者にとって座右の書となりうる可能性があるだろう。

 おもしろいと感じた部分を挙げておくと、
 ・サッカーノートを付けていて、忘れたくないこと、忘れちゃいけないことがぎっしり詰まっている。
 ・自分のスタイルを捨てて、監督のサッカースタイルに迎合しようとしている訳じゃない。
  監督が目指すサッカーの中で、自分を活かすための作業の一環として、監督の要求を知り、サッカーを理解しようと努めているだけだ。
 ・「選手全員が試合の空気を読み、察知しながら的確なポジションを取り、連動し、しっかり走る」サッカーが必要だと(ドイツW杯で)確認した。 

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