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高校英語教育を変える和訳先渡し授業の試み

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高校英語教育を変える和訳先渡し授業の試みの商品レビュー

5.0 「授業1分当たりの語数」という指標
授業の方式としての和訳先渡し方式を解説したもの。p.42に「授業1分当たりの語数」という指標が紹介されており,参考になる。一例として,訳読式授業で毎分1.7語,和訳先渡し授業で毎分13.2語だそうである。授業という形態の中では,和訳先渡し授業の1分当たりの語数は多いのかもしれないが,率直な感想として,1桁足りないのではないかと思う。少なくとも毎分150語程度は必要ではないか?
5.0 革新的な方法です
本書を要約すると、
●訳を先渡しして、授業を迅速に進め、余剰時間で文法やタスク活動をする。
●「訳先渡し」はあくまでひとつのオプションに過ぎない。
●これまでとは違い、タスク活動を積極的に授業に組み込めることで、
生徒主体の授業を展開できる。

いかに時間を有効活用し、「4技能」を鍛えるための活動を多く取り入れていくか。

確かに、これまでの方法と大幅に違い、革新的な授業ではありますが、
試してみる価値は十分にあります。

1.0 「ヤク(訳)漬け英語教育」延命のバイブル!?
 この本を読むと、「ヤク(訳)漬け英語教育」の絶望的な現状を改めて認識させられる。そして、その否定的な英語教育の現状を「延命させる」のための「バイブル」として、この「教授法」(和訳先渡し)が一般の学校に広まることを非常に危惧する。
 「和訳先渡し」というのは「訳読授業」を乗り越える「方便」だという。しかし、「もう、和訳を先に配らない授業方法は考えられません」(p.77)、日本語訳が英語の「答え(=和訳)」(p.241)などという認識には、「訳読授業」同様、日本語訳から永遠に離れらないことを認めている。つまり脱することができない「訳読授業法」でしかない。
 きわめて限られた英文の量に対して、和訳を配って英文を「理解」させる方法から、果たして和訳を介さずに英文を理解することが出来るようになるのか。可能であるという言語学的な根拠もまったく示されていない(著者の一人は英語教育の専門家のようだが)。
 この方法によって「効果」がでているという。しかし、実験校がSELHiで、「和訳先渡し」を行う授業以外にも、一般の高校よりはるかに多い英語の授業が組まれている。自己学習、また塾や予備校などの校外学習についてもまったく触れられていない。「効果」として、この方法の結果だと特定できない。また、SELHiの成果として果たしてそれに見合った成果なのかどうかもはなはだ怪しい。SELHiでこの程度の「結果」ということは、「和訳先渡しの授業」の弊害、という見方もできよう。
5.0 重要なのは余剰時間をどう活用するか
実践的コミュニケーション能力を育成せよと、そりゃ言うのは簡単だ。
英会話がペラペラになるように教えなさい、と現場を知らない人は無下に言う。
高度なリスニング力まで要求されるようになったセンター試験がある限り、それは無理な話である。
まず、今よりもっと多くの時間が英語に割かれなくてはだめだ。英語教員ももっと増やさないといけない。
現実として、自民党が与党である限り、それらは物理的に不可能だ。
だが、このまま手をこまねいているのは悔しい。
そこで、とりあえず「和訳先渡し」を試してはどうか。
もちろん、訳を渡すだけではだめで、内容を理解させる何種類かの活動が必要になる。
その点は手間が掛かるが、格段の定着と応用力が期待できる。工夫次第でそういう活動自体をコミュニカティヴにすることもできるだろう。
実践例も豊富だ。著者は高校の現場を良く知っている人だから、痒い所に手の届く記述が多い。
従来の膨大な時間が掛かる精読をした学習集団と、大幅に時間を短縮できる和訳先渡しの集団とで、模試の成績が変わらないというデータも載っている。
私も早速試してみた。勤務校は総合学科で、受験校や進学校ではない。
だからであろうか、載っている実践例を真似るだけでは、英語は難しいという印象を助長する面がある。少々注意が必要だ。
和訳に要していた時間を大幅に短縮することで、今までやりたくても進度が気になってやれなかった活動に充てることができるようになる。
自分のアイデアを盛り込む隙が増えるので、幅の広い授業が可能になる。
英語教師の意欲向上には持って来いだ。
年間指導計画の作成もわくわくするようになった。
従って、明治以降の訳読式に拘りたい人は読む必要はない。それこそ時間の無駄だ。
5.0 「時間がない」高校の英語の先生はmust haveな1冊
今日アマゾンから届き早速読み進めています。自身、夏の公開授業が終わってから、新しい授業モデルを模索しはじめていたのですが、とてもヒントになりそうです。実は先日留学生を交えたディベートを実施したのをきっかけに、授業にもディベートを取り入れられないかと考えていたのですが、結構時間がかかるため実施時間がネックでした。その点で本著は非常に有効なアイデアを紹介しています。ワンレッスンを和訳先渡し+タスクの設定と言うスタイルで、2~3時間で終わらせる例です。皆さんは通常ワンレッスンどのくらいで進めていますか?生徒や学校の現状によって異なるでしょうが、仮に7~8時間だとすれば、残った約5時間を有効に使うことができることを、示しています。2001年全英連大会の研究発表およびその後の英語力の伸びに対するリサーチ結果も載っています。私にとっては実践したことは無いのでまだ机上のアイデアに過ぎませんが,非常に興味深い一冊でした。教科書に更にアイデアを盛り込みたいのだけれど、授業を進める上で「時間がない」と感じている高校の英語の先生にはmust haveな1冊だと思います。

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