私が、デザインに求めていたもの。
難解な本でもあり、筆者の意図とは異なる解釈をしたかもしれないが、無意識の内に私がデザインに求めていたものの正体は、アフォーダンスと呼ばれる性質の提供なんだと嬉しくなった。本書は、デザインのノウハウを記した解説本ではない。本書におけるレイアウトは、モノを意図的に動かし、配置したり設営したりする行為を指すわけでもないようだ。
ただ存在する質感を持つ環境=レイアウトの記述ではなく、ヒトや動物の行為との関連で環境を定義しているところが素晴らしい。だからこそ、ヒトが使うデザインのあり様にも示唆を与えてくれるように思う。
筆者は、デザインの専門家ではなく、生態心理学者であるという。
様々な周囲・環境と行為者・受容者の入れ子構造のインターラクションが美しくレイアウトされている。縦書きのテキストのカッコ良さを感じた初めての本かもしれない。
アート系アフォーダンス・・・とでも呼ぶか
日本におけるアフォーダンス理論紹介の第一人者が、いわゆるアート・デザイン系のトピックにアフォーダンス理論を読み込んでみせた本。 デザイン系の実務者との対談が半分、アート系のトピックによせてアフォーダンス理論を語った部分が半分という構成である。対談以外の部分も研究書の体裁ではなく、エッセイ的な文章となっている。ただしアフォーダンス理論の基礎概念の説明が所々足りないような印象があるので、いきなりこの本から入っても立ち往生するのではないだろうか。まずはきちんとした概説書を読んでから、アート系に繋げたい人がヒントを探す為に読む本である。