国家のバランスシート、国債と不良債権の解析
リスク管理と会計戦略を得意とする木村氏による経済破綻の警句論集である。キャピタルフライトとは経済破綻によって、日本に集まった外貨や円が国外に流出する事を表現している。本書は、前半が日本の経済が抱えている実態と潜在的リスクを正確に指摘し、後半ではその現実から想定される将来の経済破綻のシナリオを記している。 まずは得意の会計のマクロな視点で日本のバランスシートを試算し、決算報告書として明らかに債務超過になっている事実を具体的金額で指摘する。債務超過の状態の中で、(確か大平内閣で)特別に発行した赤字国債の発行が既成事実化して、年々かさんで行く事に危惧する。いささか飽きれた事に満期の国債の返金には借換国債を発行して、自転車操業・問題の先送り状態であった事を知った。
不良債券についても、不良債券政策の大きな問題点を指摘している。正しい不良債券の処理は会計の基本通り、貸倒引当金として負債に計上(結果として自己資本が減少)して、資産と資本が等しくする、間接償却である。 ところが金融当局の提唱した直接償却論では不良債権の回収をあきらめて、バランスシートから切り外して、不良債券を無くす事が目的となって、結果として、会計が経営の正しい実態を記述していないという、会計基本の無視であると指摘している。更にマクロな視点では仮に不良債権を他社に売却してしまえば、会社単体では不良債権が無くなったように見えるが、日本経済全体では不良債権がババぬきのように移動しただけで本質的解決していない事を指摘する。
後半の経済破綻のシナリオについてはレビュアーは予測否定派のためノーコメントである。
理論と直感のギャップ
経済理論的には誤った主張がなされている。ただ、この本の主張は直感的には受け入れられやすく、実際にメディアなどでこの本と同様の主張をする論者は数多い。おそらく著者からすれば教科書的な経済学を現実に当てはめるのには限界があるということだろう。実際、過去には経済理論上正当とされた主張の誤謬が明らかになり、直感的な感覚の方が正しかった(あるいは少なくとも正しい可能性があった)と認められた例も多い。70年代・80年代の情報の経済学やゲーム理論による一連の発見などはまさにその好例だろう。
しかし、経済理論は非常に理論的に精緻なものであり、たとえ直感が正しいと直感的に考えたとしても、現時点でそれを理屈で崩すのは難しい。したがって、この本のような主張を堂々と展開するならば、理詰めの経済理論のどこに問題があるのか、どのassumptionがtoo strongなのか、そういった点をおぼろげでもいいが指摘すべきではないか。そこまで持ってくればあとは経済学者の仕事になる。
あのー・・・日本は変動相場制なんですが・・・
キャピタルフライトねぇ・・・
日本が変動相場制って忘れてるんじゃないかしら
対外債権国だからこんなことは有り得ないのにな・・・
こんな本書いて恥ずかしくないのかな・・・ついでに言うとハイパーインフレを想定してるようだけど
それは年17000%以上のインフレなんだけれど・・・