この本はタイトルとジャケットがよくない
松井社長の考え方は、海外(先進国の都会)ではむしろ当たり前だと思う。しかるに本のみかけが非常にとっぴかつ軽めの経営論のような印象を与えるので、その点だけは気に入らない。サラリーマン根性になりはてていない人間ならば、この本に素直に共感できるのではないかと思う。松井社長の経営能力のゆりかごとなった日本郵船の菊池社長の話には泣けた。「郵船は、非常に国際的、競争的」とこの本にはあるが、同社はその長い歴史、他の弱小運輸会社を踏みつぶして君臨してきたことも事実である(縁者の会社もダンピング競争の末、閉鎖した)。この手の日本の会社は、繊維にせよ銀行にせよ没落していった(いく)わけだが、こういう中興の祖の例もあるのだなあと驚いた。
ニッポンのリセットを考えさせてくれる好書である。
前作『おやんなさいよ、でもつまんないよ』も良かったが、こちらのほうが深みがあって、なおよろしい。最近注目のライブドアの堀江社長の3部作といい、この松井社長のものといい、こういう若者が出てきたことは、うれしい。
少し古くなるが、HISの澤田社長あたりがお兄さん役か。
97年末の山一・拓銀の金融不安以来、ニッポン(とりわけサラリーマン環境)は、完全に変わった。
今騒動によるナベツネ氏の引退が象徴的なように、政界も官界も、財界も学会も、いよいよ世代交代である。
ニッポンのリセットを考えさせてくれる好書である。
前作よりもよくなっている
基本的なコンセプトは前作「おやんなさいよ、でもつまんないよ」と同様、松井社長の主張、ものの考え方が述べられている。前作が、時間がない中で書かれているのに比べると、今回はかなり、考え方、本の構成も整理されており、整った内容になっている。それゆえ、内容の重複はある。松井社長の考え方は、今までの調和を重視した日本の社会のなかではかなり独断的に思う読者も少なくないだろう。しかし、激動の今の世の中で求められているのは、明らかに強いリーダーシップをもつリーダーであることを再認識した。
高い信念は、岩をも砕く。
「みんなが西向きゃ俺は東 」の意味は、あまのじゃくに生きるという意味ではなく、たとえみんなと進む向きが異なっても自らの信念のもとに突き進むという意味だと解釈しました。松井社長が率いる松井証券は、従来からある営業員を主体とした運営方針を180度転換し、国内取引額有数のオンライン証券会社となった唯一の証券会社です。
株式手数料が自由化となった後に、新規にできたオンライン証券会社とは異なって、従来のやり方を変革しなければならなかった松井社長には、人間的な対立や葛藤が大きな壁となり立ちふさがりました。
そんな壁を乗り越えるには、高い信念が必要だったのです。
この本には、その信念が込められています。