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驚くべきミステリーというよりは、キャラ同士の掛け合いに引き込まれる作品です。 伊坂作品には魅力的なキャラが登場するのですが、中でもこの作品のキャラの立ち具合は抜群だと思います。 物事を俯瞰的に見てしまう少し冷徹な北村、軽薄で調子乗りの鳥井、無口なモデル系美人の東堂、引っ込み思案なプチ超能力者の南、そして、物語を引っ張る、思ったことはなんでも行動に移してしまう西嶋と、すべてのキャラが一癖ありながら憎めない存在に仕上がっているのが素晴らしいです。 それぞれのキャラクターが、大学生活を通してほんの少しだけ変わっていく様子も面白く、物語を読み終える頃には、読者である自分も、登場人物たちと離ればなれになってしまう気分になり、少し寂しく感じた程です。
なんか縺れていた心を、ほどけさしてくれた本でした。 背伸びして純文学といわれるものを読んでもなんにも心に残んないから、方向転換してこの本を手にとったんですけど、兎に角面白かった。 読みやすいっていいなーと、読書が初めて楽しかったです。 「本当のことなんてどうでもいいんですよ。」の西嶋の台詞は、よく心の中に浮かんで、一人呟いています。
兎に角良い。 青春小説は胸が熱くなるから良いですね。 ボーリングのシーンとかいいですね。
付き合っててちょっぴり苛々する男。 けれども言ってることもやってることも正論で彼の正しさは分かっている。問題は正しいことをすると「おかしいヤツ」「ちょっと変わったやつ」と思われる今の社会なのだ。 彼は正しい。正しいから少し苛々させられる。 でも目が離せない。彼の起こす奇跡に期待してしまうのだ。 こんな学生生活を送ってみたかったな。こんなふうにつかず離れずの関係で、でもしっかりと信頼しあっている友情を築けると幸せだろうな。
伊坂さんの小説は、胸の奥に眠っていた「希望」を思い起こさせてくれる。 この本もしかり。 たとえば、この中に登場する「西嶋」という人物は メディアで持ち上げる「カッコイイ人」とはかけ離れている。 だけどかれは夢の中に登場するつくられた人物ではなく あくまで現実的に、格好いいことをやりとげる人物だ。 傍観して分かったつもりになって、人生を悲観するぐらいなら 西嶋のように生きてみてもいいんじゃないか。 大切なのは、自分ができることをやるだけ。 そう思える本です。