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心が雨漏りする日には (青春文庫)

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心が雨漏りする日には (青春文庫)の商品レビュー

5.0 らもさんの言葉で心のつかえが取れた
私は躁うつ病になってまだ2年目です。
不安材料なんて数えたらキリがないくらいあります。
けれど、らもさんの言葉で何か見えたような気がしました。

「人間は無数にある選択肢の中で、自分が選べる選択肢だけを選んで
人生を生きている。選べない選択肢を選ぶことは絶対にないのである。」

きっかけになった出来事、躁うつ病になった意味。
私はそれを悔やみ、悩み、ずっと引きずっていました。
でも、私にはそれを避ける選択肢はなかったのです。
その時、その時、私は選べる選択肢を選んできただけだったのです。
わかったような気がしました。
そしてこの先も、私は選べる選択肢を選んで生きていくだけなんだ、と。
らもさんのこの言葉で、躁うつ病の本を何冊読んでも取れなかった
心のつかえが取れた気がしました。

それから印象的なのが、ペットロスの人や玉造の駅前のホームレスの人に対する
らもさんの垣根を越えた優しさ。涙が出ました。
「放っておいたら死ぬな」と感じたら当然のように、迷わず手を差しのべる。
らもさんが周りの人に守られていたように、らもさんは温かい人だったんですね。
本当に波瀾万丈な人生。楽観的に書いているけれど、
きっと壮絶な闘いの連続だったにちがいありません。
けれど、読み終えてなぜかハッピーな気持ちになりました。
優しい、優しい本です。
この本に出会えてよかった。心の底からそう思います。
うつ病や躁うつ病の人も、そうじゃない人も、ぜひ読んでみてください。
5.0 少しだけがんばってみようかな……
うつになると、たしかに心の中がどしゃ降りのようになる。
この本は、「うつを治そう」というものではなく、うつやそのほかの病や依存に苦しんできたらもさんの
闘病エッセイ(?)とでもいうものだ。

まず軽妙な語り口に引き込まれた。書かれていることはかなりシビアである。
抗うつ薬や睡眠薬への依存、躁と鬱の繰り返しのつらさ……等々。
しかし重苦しさを感じさせない。さーーっと読めて、じわっと残る。
現在、うつあるいは何らかの「心の病」(という表現は嫌いだが、便宜上)に悩んでいる人は
ぜひ読んでほしい。きっと心が軽くなる。

巻末に『うつを生きる』の著者である芝伸太郎氏との対談がある。
これも、芝先生が、幻覚などに苦しんだらもさんの言葉をあたたかく受け止めていて
救われたような気持ちになった。
私も軽症だがもう、うつは長い。しんどいとき、これはうつでつらいのか薬のせいなのか
わからなくなることがある。そんなわたしにとって、「そうそう、わかるよ」ということばかりだった。
本を読んで「よかった」と思ったのは久しぶりのような気がする。

また本上まなみさんのあとがき。これがなかなかいい!
5.0 ありがとう、らもさん
 この本を読んでわかった中島らもの壮絶な人生…なんだけど、全然壮絶感がないんだなあ、これが。アルコール依存症、躁うつ病、多量のドラッグ、それらが原因の失禁、転倒、失明、奇行で、ほとんど廃人状態。でも、悲壮な感じがしないのはなぜだろう。その理由1、彼のまわりに集まる愉快であったかい人々。迷惑かけまくりのらもさんの尻拭いを、義務でなく、いやいやでなく、なんか楽しんでやっているような人々の存在。らもさん、愛されていたんだ。その理由2、らもさんの才能。人という生き物の奥の奥まで見えてしまう天才的な才能を持っているのに、ひょうひょうとしていてそれが全然いやらしくない。その理由3、らもさん自身のポジティブな考え方。人間は、数ある選択肢の中で、自分が選べる選択肢だけを選ぶのであり、選べない選択肢を選ぶことは絶対ないというらもさんの持論。だから「あの時、ああすればよかった」ということは、彼の場合、ありえないわけだ。かといって、だから今の状況はしょうがないじゃん、と開き直っているわけではない。この状況を引き受けて生きていくしかないと、あくまで明るい。
 ほんと、久しぶりに私も今の自分で生きてみようという気になったよ。
 ありがとう、らもさん。
5.0 わたしの右脳に住み着いたらもさん
らもさんのうつ病との付き合い方、へこたれない心の持ちようは同じ病を抱える私にとって多いに参考になった。
しかし、精神科医や薬との接し方には問題があるように思えた。
自分で処方する薬を指定したり、眼科医の友人に薬を出してもらったり。
これは医者への不信感とドラッグについての知識があるという過信からきている態度だが、
非常に危険である。
全てを医者まかせにせず、
主体的に医療に関わることは大切なのだが、度がすぎる。
特にアルコールと薬を併用するくだりは読んでいて、ひやひやした。
失禁、昏倒に加えて、目が見えなくなっていく描写はらもさんが本当に廃人になるのでは、
と思わせた。
しかし、それらの現象は全ての薬を止めるという決断により霧消する。
これは現代医学への痛烈な皮肉であり、
らもさん一世一代の大技である。
子供は決して真似しないでください、この人は特別な訓練を受けています、
と注意書きを付けたいぐらいの捨て身の一撃である。
すごいことだ。
それにしても刺激的な闘病記だった。
こんな本を書けるのは後にも先にもらもさん一人だと思う。





4.0 君もかすんだ目で星空を見ろ。
「ゲーテだってうつ病だった」
と言われて怒ったというくだりを、ぼくらファンは何回読んだんだろう。エッセイを読むたびにこの話が出てくる。それでも「らもさんだから」と許せてしまう。

口述筆記をした奥さんも、躁病に付き合った劇団員も、家族も対談相手もファンも、みんならもさんにちょっぴり迷惑をかけられながら、それでも「まあ、らもさんだから」と笑顔で許している。この構図がすごく好きだ。

うつ病のことを書いたといっても医学書のような類ではなく、これまで通りのエッセイなので、その点は理解して手にとったほうがいいと思う。
たびたび失禁するようになってからも家で一人で悩むのではなく、老人用おむつをしてローリング・ストーンズを見に行ったというのがかっこいい!

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