内観への疑問を払拭する。
内観というと、なにか民間療法のような、あるいは宗教のようなイメージをもたれ敬遠されがちですが、本書はそうした誤解を払拭してくれる好著です。 編者の村瀬孝雄氏は元東京大学教授の臨床心理学者。そのほかにも一流の人たちが真剣に執筆に取り組んでいます。
内観を受けることに家族に反対されている方、あるいは内観を受けようかどうしようか迷っている方などには誤解を解いてくれる一冊になるかもしれません。
内観法は万人を救えるか
本書はタイトルのとおり内観法について段階を追って進める方法を具体的に述べている。心理療法のひとつであるが向き不向きがあって内観法によって劇的に快復する人もいれば、そうならない人もいると思う。その思想的根幹はみずからを反省すること。仏教思想がベースとなる。ひとつ例えに出すならば、親への感謝の気持ちに気づくことによって家庭内暴力が収まることはあり得る。しかしアダルトチルドレンに見られるように親が原因で子が災いをこうむる場合はどうか。その子が内観法によって自己否定、つまり悪いのはすべて自分の責任であると誤った判断を下すこともありえるのではないないか。ウツ病にしてもそうだ。今までの自己を反省することで自己を追い込んでしまう結果となり、逆に症状を悪化させてしまうことを危惧する。近年、内観法について触れている著書がないため、この本でしか知識を得るしかない。ぜひとも専門家の意見を聞きたいものだ。