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本書も実務家または実務家の卵を対象としてる。 実際の公判がどのような順序で進行しているか(例えば,検察官による証拠の請求がどのように行われているか,これに対する弁護人の意見はどのようになされるか,裁判官の証拠決定はどうかなど)が分からないと,理解しにくいところも少なくないだろう。 逆に,上記に関する最低限の知識があれば理解が早いし,深くなると思われる。 ただ,上訴や略式請求に関する記述は,このような手続に関与していない限り,読んでもさっぱり分からないだろうが,そのような部分は飛ばせばいい。必要になってから読めばよい。 本書は,そのように使っても十分価値がある。
これも、平野博士旧版を松尾先生らがアップツーデートなものとしたものである。 証拠の評価、裁判、上訴についての基本的考え方は、法律学全集とその周辺の論文集のときからぶれてはいない。 ただ、前から、当事者主義訴訟構造論の中で、実務上、大きな壁となった「検察官手持ち証拠の開示」の問題など、理論だけでは解決できない運用上の問題については、もう少し突っ込んだ修整があっても良かったかもしれないと、実務について思うようにはなったが、少しもぶれない姿勢は、感服しております。 裁判員制度の導入、それに伴う争点整理手続など、あるいは、近時急速に主張されている犯罪被害者の当事者としての参加問題など、平野博士にたっぷりと論じていただけなくなってしまったことが残念である。 (36期司法修習生)(弁護士)