日本のサラリーマンなら読んで欲しい本
今でこそ、Japan as No.1の神話はそれほど強い信仰はないが、今から10数年前は日本こそ世界のビジネスリーダーだと言われており、日本人全員がそれを信じていた時代があった。本書はそのさらに10年前から調査をし、日本成功の成功要因であると信じられていた諸処の産業政策など政府による介入や、日本企業独特の「系列」などの商慣習に対して膨大かつ緻密なデータをもってこれに反論している。それでは、日本の産業をここまで盛り上げた事実はどう説明するのか?ポーター教授は、Sonyやトヨタなど、ごく一部のスーパー企業があまりに力があるため、日本全体が強いように見えるためだと説明する。一方、日本企業の大多数(ほとんどすべての企業)が国際競争力がなく、その「失敗要因」が今まで日本が信じてきた「成功要因」だったとしたら!...本書の構成・主張はこうした非常にショッキングかつ、示唆に富んだテーマで構成されている。私が15年前にイギリスにいたとき、私の周りの日本人・外国人は「日本の成功」「日本企業の神話」を語っていた。終身雇用制・年功序列など西洋的効率主義に対するアンチテーゼとして日本の神話はある種ミステリアスな響きさえもっていたのであろう。しかし、ポーターによればそうした神話も科学的な戦略フレームワークで説明されてしまう。
この本は非常に平易に事実を主軸に書かれた名書だ。ぜひ、日本企業にお勤めの方は読んでいただき、社内で議論をわき起こしてもらいたい。