難題、山済み
CEOやマネジャーが、直面する問題のケースが6つです。業績を向上させるため、企業合併をスムーズに進めるため、新たな戦略を実行するため、組織(風土)を変革していきたいのだが、あるいは、やったんだけど・・・とケースが記述されているあと、この問題に、学者、コンサルタントなど複数の回答者の見解が掲載されています。やとわれや新任のCEOやマネージャをテーマにした話が多いです。
「人」に関する問題のためか、あるいは、状況が複雑なためか、かなりの難問ぞろいでした。何を、どこを問題として、自分ならどう手をつけていくか、とかなり入り込めました。
回答者によって答えが違う、当然自分の考えてとも違う、など、読んでて飽きない内容です。
読書留学できます
6つのケースについて、大学の先生や経営コンサルタント等4~6人がコメントするという形式の本。ケースのテーマは、次のとおり。
1.業績管理システムが引き起こした弊害:成果主義の評価基準はどこが間違っていたのか
2.新任CEOの憂鬱:保守的な組織風土をいかに改革するか
3.デジタルとアナログの相克:ベテランと若手が学び合う風土に変えられるか
4.社内顧客の不満が続出:コスト・センターをいかにプロフィット・センター化させるか
5.現場は地獄の様相を呈している:文化の異なる企業同士の合併をいかにして成功に導くか
6.混乱と不信がはびこる社内:雇われ幹部と既存経営陣はどのように協働すべきか
米国のビジネス・スクールに留学しなくても、この本を読めば実際にどのようなケース・スタディを使って勉強しているのかよくわかります。この本を読むほうが、英語でない分、留学するよりわかりやすく勉強になるかもしれません。
ケースについてのコメントには不満が残るかもしれませんが、実際の経営上の問題には唯一の正解などないことを考えれば、こんなものだと思います。色々な経営問題をケースを通じて疑似体験して、経営者としての能力を高める、経営者としての考え方を身につける、一つの問題に対しても様々な考え方があることを理解し、自分なりの考えを作り出すというのが、ケース・スタディの目的だとすれば、この本を読むことで身につけられると思います(残念ながら、自分の考えを文化的背景が異なる他人に英語で説明するという訓練は、実際に留学しないと身につかないと思いますが、それは書物という性格上やむを得ません)。
ビジネス・スクールへ留学することを考えれば、この本を読むほうがずっと手軽で安上がりです。留学を考えておられる方にはお奨めです。